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私達は窓側に座って外を眺めていた。交差点ごとに人々が列をなしていた。「何かあったのですか?」と私が尋ねたところ、ソク同志は「先生もご存知のように、我らの英雄であるチョン・ソンオックが、スペインセビーリャで開かれた世界マラャ淘蜑?ナ金メダルを取ったのですよ。だから人民たちは彼女を歓迎しているのです」と答えた。「私は彼女と同じ飛行機に乗って来ました」とニコラスが付け加えた。

「シュトゥットガルトから北京までの間、彼女は私達より何席か後ろに座っていましたよ。 彼女はとても疲れきっている様子でした。ただ私達は彼女に特に関心がなかったんですよ」国家の英雄を直接見たという話は、バスの中で関心を引くことができなかった。「まもなく到着します。チェ先生はホテルの部屋で待っいて下さい。まもなく会議が始まるでしょう」と話した。

バスは平壌ホテルの駐車場に止まった。「垂オ訳ありません。 今回はあなた方を高級ホテルでもてなすことができません。ニコラス氏、前回は高級ホテルで宿泊されましたね? 今回は予算がなかったのです」

しかし、ホテルの部屋は私は十分満足できた。北京で何日か泊まった安物のホテルよりはるかに良かった。私はテレビをつけてみた。マラャ淘I手を待つ数千人の人波が画面を埋め尽くした。私はぶらぶらしながらホテル周辺にコウライニゴイを探しにでかけた。その時まで私は北朝鮮での行動について確実には分かっていなかった。ただ、 旅行のガイドブックで北朝鮮では一人で通りを歩くのはだめで、必ず案内人を同行しなければなければならないと読んだことはあった。その時ちょうど階段でニコラスと会った。「一緒に来ますか?」彼はにっこりと笑った。「いいですよ。そのまま出て行っても大丈夫です。 前回来たときもも私は何度もそうしましたよ。ただこっそりと出て行くのがよいでしょう」

私達は外に出て、数千人が列をなしている通りに沿って歩いた。ニコラスはビデオカメラをずっと高ヲていた。子供たちは私達に向かって赤い旗を振り、喜んでいる様子であった。だが、子供たちが外国人を見て騒ぐと、先生が現れて大声を張り上げた。そのせいで子供たちは静かになった。北朝鮮のカメラマンらは、私達を見るなり私達が動く方向について回った。おそらく私達が北朝鮮の国家行事を取材する重要な西側ジャーナリストだと思ったようだ。「この国はいったいどうなっているのか?私はここがとても面白い」ニコラスは続けて叫んだ。「世界中どこに行ってもこのようなところはない!」

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金メダルを取った英雄はメルセデツの上に真っすぐに立ち、速い速度で走り去った。私は少しの間だけ彼女を見た。彼女は非常に疲れていると思われたが、あたかも彫刻のように多くの花束を抱えて立っていた。人々は歓声をあげ彼女を祝ったが行事はすぐに終わった。人々は散り、社会安全員は地下道を利用せず道を渡ろうとする人々に向かって、狂った様に笛を吹き警告した。

その時突然、今はニコラス案内人で以前にベルリンで会ったキム先生が私達に向かって歩いてきた。 「どこにいましたか?」と彼が尋ねた。「これから会議の嵐閧ネのですが…ずっとあなた方を探していました」 「ああ、私達はただ人民の慶祝行事を見物していました」とニコラスが話した。それは十分な弁解であった。 私達は北朝鮮の交通規制を守り常に混雑している地下道を通り、急いでホテルに戻った。

ホテルで私達はペク先生、ソク先生、チェ先生と会った。彼は日程が書かれた紙を取り出した。私達は自由時間が無い様だった。映画を見にきたのでまあいいか。しかし、「ここは自由国家です。自由時間には先生方がしたい通りにして下さい」とペク先生が話した。案内人を内緒で私達が外出した事に対しては何も言われなかった。「では各自の部屋で休憩してください。明日朝に会いましょう」とペク先生が話した、いや命令した。

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私達は軽く形式的にうなずいた。しかし、また私たちだけで出かけたかった。シャワーと夕食を終えれば案内員はいなくなるだろう…と思っていたが、思い通りにはならなかった。

チェ先生は部屋にやってきては、私達をホテルのレストランまで連れて行ってくれた。「垂オ訳ありません。まだ営業していないようです」と彼女は謝った。 私達はレストランの前に座っていた。私は何か話題を探そうと考えた結果、ある日本映画批評家の北朝鮮の犬肉料理が韓国よりも遥かに多様だとの話しを思い出した。そこで私はチェ先生に尋ねた。

彼女は当惑しながら問い返した。「先生は朝鮮人民が犬肉を食べるとお考えですか? 誰から聞いたのですか?」「さて…西洋では韓国人が犬肉を食べるという話は常識で、北朝鮮の犬肉が大変美味しいと聞きました。実は何年か前にこちらを訪問した日本の映画評論家がそう言っていましたが」「誰でしょう?」「うん…、垂オ訳ないが、名前を忘れました…..違いますか?」「彼が嘘をついたのです。 私達は犬肉を食べません!」

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私は少し残念だったが (その時、私は韓国でも犬肉を食べた事が無かった)、ロケットが描かれた壁に近付いた。「これは何でしょう?」私は柔順な声で尋ねた。「私達が打ち上げた衛星です」チェ先生はただ形式的にに答えた。「日本帝国主義者などが戦争用ロケットだと主張していいます。彼らは我が祖国に悪意を持っており、戦争挑発国だと報道しています」「しかし、これは何の為の衛星なのですか?」と質問すると、彼女は「う〜ん…」と少し躊躇している間に、私は「科学研究用でしょうか?」と質問を繰り返した。「あ、もちろんですね…科学研究用です」北朝鮮では、この衛星がエイリアンに向かって革命家を放送する人工衛星という噂が、まだ広がっていなかったようだ。

ようやくレストランが開店し、チェ先生との不便な会話から解放された。「18番テーブルです。楽しい時間を過ごしてください。」

食事は洋式風だったが、味は良くなかった。さあ、食事の後は?そう、酒、酒を飲もう。「私が前回ここにきた時はほ自由に過ごせた」とニコラスが話した。「心配しないでください。外へビールでも飲みに行きましょうか。案内員などいなくても大丈夫ですよ」

ホテルのラウンジへ行った時だっただろうか、私達はキム先生と会った。「どちらへ行かれるんですか?」と彼が尋ねた。「ちょっと外へ出てビールでも飲もうかと思いまして…心配ないですよ」「でも先生は平壌をまだよく知らないでしょう」「私はマルメニアでも酒場を捜し出しましたよ」とニコラスが話した。「朝鮮民主主義人民共和国の首都にも酒場の一つくらいはあるでしょう」と言い、彼を置き去りにしようとしたが、やはり出来なかった。そして私達を止めることができないと思ったのか、キム先生は私達についてきた。