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1950年後半から80年代中頃までに帰国事業で北朝鮮に帰った在日朝鮮人(日本人配偶者等を含む)は9万人以上といわれその多くは北朝鮮で過酷な人生を歩んできた。

1994年に結成された「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(以下:守る会)」は北朝鮮政府の人権弾圧によって過酷な人生を強いられてきた帰国者の生命と人権を守りサポートすることを目的とするNGOだ。

その「守る会」の事務局長に依藤朝子氏が新しく就任した。北朝鮮関連のNGOで女性の事務局長は異例ともいえる。果たして事務局長としてどう運動をリードしていきたいのか?「守る会のジャンヌ・ダルク」と期待されている依藤新事務局長に話を聞いた。

▷ 今回事務局となった経緯を?

事務局長をするような経験も知識もないので最初は辞退しました。でも、周りの方々から是非やってほしいという要望が強くて引き受けることにしました。

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▷ 不安とかはなかったですか?

これは「守る会」だけではないのですが北朝鮮問題に関わっている方は経験も知識も豊富な方が多く、私みたいな経験不足の人間にまとめられるのだろうか?というのが一番の不安です。

▷ 逆に言うと若い依藤さんだったらまとめられるという期待もあるのでは?

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私はもう若くないですよ(笑)。実際、そういう期待もあるかもしれません。また女性ということもあるかもしれません。いずれにせよ、私という存在が少しでも役立てればという思いで今回の事務局長就任を引き受けました。

▷ 事務局長としてどう運動をリードしていきたい?

全体的に北朝鮮に関わる人たちは年配の方々が多いです。北朝鮮問題がクローズアップされるようになったのは2000年以後ですが過去の朝鮮半島の歴史を知らないと分からないことがたくさんあります。そういった意味で諸先輩方の知識と経験は貴重です。ただ、それが逆に若い人を寄せ付けない空気を作っているのではないかと思ったりもするので、そんな空気を変えなければという思いはあります。諸先輩の方々の知識と経験を次世代に伝えていければいいのですが…。

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▷ 現状の北朝鮮NGOに対して望むことは?不満などあれば?

今のNGOは全体的にバラバラだと思います。全体的に個性が強くてなかなかまとまりにくいようです。言い方を変えると役割分担ともいえますが、ある部分ではまとまる必要があると思います。幸いなことに少しずつまとまる方向に進んでいるような気がします。

▷ 最近の北朝鮮を巡る情勢についてどう思われますか?

昨年11月末に貨幣改革が発表された時は、驚いてとても心配しました。それでも結局は改革は成功しなかったようで、むしろ北朝鮮の市民の政府に対する怒りが起きるきっかけになったとも思われます。また、最近起きた天安艦事件では多くの方が亡くなり、日本でも心を痛めている人が沢山います。この事件では北朝鮮政府や健康が悪化してきた金正日の焦りが感じられました。北朝鮮政府の力は弱まってきて、たとえ統制を厳しくしても市民の力が強まってきていると思います。北朝鮮内部からの変化に加勢するためには、情報を送り続けることが重要と思います。

▷ 最後の質問ですがあなたにとって朝鮮半島とは?

私が朝鮮半島に関わったのは従軍慰安婦問題や侵略問題などで日本が朝鮮半島に対して悪いことをした歴史を知った事と古代史を学んだ事がきっかけです。その後、米留学を通じて韓国の若い方を通じて現代韓国の文化を知り、その過程で日本との共通点や差異を見いだし親しみを感じていました。

そういう体験を通じて朝鮮半島には郷愁と憧れがあります。その北半分が全体主義国家となって民衆が抑圧されていることはとても悲しいことです。私個人としても少しでも北朝鮮がよくなる日が来るのを願うと同時に「守る会」の事務局長として出来る事をしていきたいと思います。