「いずれ米韓は屈服する」…金正恩政権の説明に「むなしい」とこぼす北朝鮮国民

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韓流ドラマなどを通じて韓国の実情について知っている北朝鮮の人々に、「南朝鮮は貧しい」と偽る昔ながらのプロパガンダは通じないことがよくわかっているのだろう。あえてその点を認めた上で、「だからこそ核やミサイル開発が必要だ」と正当化する流れに話を持っていったものと思われる。

核兵器開発を推し進める北朝鮮に対し、国際社会は経済制裁を強化している。それを受け、国や金正恩氏への忠誠心が高い「選ばれし者」である平壌市民までが動揺しかねない状況となりつつある。当局はこのような講演を通じ、人々に信念を抱かせ結束を強めようとしているのだろう。

(参考記事:「アメリカ軍に勝てるはずない…」北朝鮮の幹部に動揺広がる])

熱弁の甲斐もなく、聴衆の反応は冷ややかなものだった。核兵器は食糧問題を解決するどころか、むしろ深刻化させていて、核戦争を起こせば自分たちが被害を受けることを充分にわかっているため、金正恩氏の「核強国建設」に批判的なのだ。

講師たちはプロパガンダのプロだけあって、聴衆は話を聞いているうちに引き込まれ、ついつい信じてしまう。「しかし家に帰ってよくよく考えてみると、実にくだらないことだったと気づき、虚しくなる」(情報筋)のだという。