そして、トランプ氏のアジア歴訪により、正恩氏は短い期間ながら、米大統領を自分の射程内に捉えることになるのだ。つまり、米朝の立場が一時的に逆転するのである。
トランプ氏は日本に続き韓国も訪問するわけだが、専守防衛を至上命題とする日本と、軍事境界線で北朝鮮と銃を突きつけあっている韓国とでは、危機がエスカレートするスピードが違う。実際、2015年8月には、軍事境界線で北朝鮮側がしかけた地雷が爆発。韓国軍兵士の身体が吹き飛ばされた事件をきっかけに軍事危機が拡大し、あれよあれよと言う間に「開戦前夜」の空気が漂うまでになってしまった。
(参考記事:【動画】吹き飛ぶ韓国軍兵士…北朝鮮の地雷が爆発する瞬間)このとき、正恩氏は当時の朴槿恵政権の強硬姿勢に屈し、実質的な謝罪に追い込まれている。
海上自衛隊の出番
北朝鮮の核兵器開発は危険極まりないものではあるが、正恩氏は現時点において、「これを近いうちに米国にぶち込んでやろう」と計画を立てているわけではない。