半裸の女性を見ながら、デレデレになっている金正恩氏の姿が動画に写っているとするならば、権威の失墜は避けられないだろう。
(参考記事:金正恩氏が登場する「わいせつ動画」の怪情報)昨年3月には、映像コンテンツを取り締まる「109常務(サンム)」と呼ばれる専門の捜査機関が、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)のある郡で、乱交パーティーに及んでいた男女を逮捕した。もはやわいせつ動画の拡散を止めるのは不可能に近くなっている。
(参考記事:北朝鮮で「ポルノ見て乱交パーティー」は収容所送りの重罪)労働新聞に掲載された論説には、海外コンテンツの拡散をけん制する狙いがある。裏を返せば、厳しい取り締まりにもかかわらず、依然として海外のわいせつ動画や韓流コンテンツが拡散しているということだ。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。