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統一が窮極的に必要なのか、必要でないのかという問題は論外にしよう。この問題にまで議論が広がれば、語りつくすことができず、複雑になり、論理的な問題を越えた多くの問題があるため、まず窮極的に統一が必要だという前提の下で話を展開して見よう。

統一が窮極的に必要だと言っても、必ずしもそれは、早期の統一でなければならないということではない。その理由を簡単に要約すると、

第1に、早期統一による統一費用のため、韓国の経済状況が悪化し、朝鮮半島全体が経済的困難に陷るようになるだろう。

第2に、韓国からのおびただしい支援がないとしても、北朝鮮は民主化して本格的な改革開放の道を歩むだけで、自主的に発展することができる非常に大きな潜在力を持っている。北朝鮮の経済規模に比べて、大きすぎる規模の支援や投資は、市場と経済関係を歪曲させ、様々な副作用を生む可能性が高い。

第3に、韓国からの大量の支援は、北朝鮮の人々の自立や自助、自力更正の精神を弱め、成長の潜在力を諮Hする結果をもたらす可能性が高い。

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第4に、統一したという条件で、便法的な南北の差別は成功が難しく、制度をあれこれと変えて、多くの努力をしても、解決困難な問題が無数に現われるだろう。

第5に、統一したという条件で、南北間の感情的な対立は手におえないほど深刻に悪化するのはほとんど確実だ。

統一は至急ではない

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多くの人が、統一が何を意味するのか、統一がどうして必要なのかについてよく分かっていない。学生たちに、統一がどうして必要なのかきいて見たら、北朝鮮に自由に行きたい、離散家族が自由に会って、一緒に暮らせるため、南北朝鮮の経済的長所を補って、シナジー効果を生むことができるからなどと答えるが、これは統一してもしなくても充分に可能なことだ。

北朝鮮が民主化したら、統一しなくても、交流や離散家族問題や経済協力の問題はたいした困難もなく解決することができる。多くの人が、統一が必要な理由としてあげるものは、大部分が統一しなくても、充分に解決することができる問題だ。

統一すれば安保の費用が減ると言うのも、あまり根拠がない話だ。統一すれば、安保の費用が減る可能性もあるが、むしろ増える可能性もある。そして、中国と緊密な関係を持った北朝鮮と米、日と緊密な関係を持った韓国が、友好的な協力関係を維持していけば、多層の安保補完装置が用意されることで、統一した時よりも、むしろ安保の危機が減り、安保の費用がより安くすむ可能性がある。

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統一すれば、義務兵制度が消えて、軍に行かなくてもよいと答える学生が多いが、これは全く根拠がない話であるというのは言うまでもない。北朝鮮が民主化したら、現在朝鮮半島に存在している安保の危機は、その性格が完全に変わるようになる。

そのようになれば、統一してもしなくても、新しく形成された安保状況を総合的に考慮して、適切な水準の軍事力を維持しなければならないし、現在兵力が人口に比べて多すぎるため、兵力のある程度の削減や服務期間の若干の短縮はあるが、義務兵制度を廃止することは、兵隊の募集で十分な数の優秀な兵力を選ぶことができる社会的条件が整い、またその予算を準備できるようになるまでは容易ではないだろう。これは統一とは本質的に関係がない問題だ。

統一が実現する時、中国との関係で、様々な心配をしている人が多いが、その問題は筆者が『時代精神』に書いた<北朝鮮は中国の属国になるのか>で充分に説明したように、そのような憂慮は多くが杞憂で、むしろ過度な警戒が、不必要な安保の負担を加重させるということを肝に銘じなければならない。

こうしたことを総合的に考慮すると、統一が必要だとしても、早期の統一は避けなければならないし、北朝鮮が民主化した後、南北間の交流を拡大しながら、条件が充分に成熟した時を待って、統一を推進しなければならない。

無条件に統一を延ばすのが嫌であれば、連邦制に似せて、内容は国家連合のような形で運営することも考えられる。状況と条件を綿密に検討して、こうした方向を選択することもできるが、このようなやり方は統一に準ずるあらゆる政治的負担をもたらすということは覚悟して推進しなければならない。

北朝鮮を民主化すること、言い換えれば、北朝鮮の人民を金正日の暴圧から解放させることが至急な問題であり、統一が至急なのではない。北朝鮮の民主化は早いほどよいが、統一はもう少し時間の余裕を持って、状況を綿密に観察しながら、ゆっくりと推進しなければならない。南北関係にはいつも、多くの落とし穴が潜んでいるから、感傷にひたらずに、冷静に近付かなければならない。