北朝鮮には「信訴(シンソ)」という仕組みがある。
中国の「信訪」と同様に、理不尽な目に遭った国民が、そのことを権力中央に直訴するシステムで、一種の「目安箱」のようなものだ。元々は法制度の外で運用されていたものが、1998年に制定された信訴請願法で、法的根拠が与えられた。
権力者のやりたい放題
民主主義や言論の自由のない北朝鮮で、庶民がお上に何かを申し立てることのできるほとんど唯一の仕組みだが、これさえもまともには機能していない。それどころか、訴え出た人が処罰されるという、とんでもないあべこべがまかり通っている。
両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が語る。