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ここ数年、「北朝鮮が随分変わった」という言葉が、北朝鮮内部と脱北者の間でしばしば聞かれるようになった。

北朝鮮の住民は、口を揃えてこう言う。

「今の北朝鮮は10年前とは違う。一番大きく変わったことは、最近、みんながお金があれば何でもできると言っていることだ。また、正当なことは当局者にも堂々と主張している」

かつて、北朝鮮では「商売人は『日和見主義分子』」という風潮があり後ろ指を差さされることもあったが、それも今は昔。90年代の半ばにやみくもに商売していた時期とも違う。市場で扱われる商品は多様化し、商品の分野も広がっている。市場が認められるようになったということだ。

北朝鮮政府も配給を与えることができなくなり、「班管理制(小規模な家庭単位の自律運営制)」を、工場や企業所などに拡大しつつある。

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もちろん、かつかつで生きているという庶民もいるが、多くの住民が商売をしている。他人の家で家政婦や「作業員」として働いて生計を立てるなど餓死する人はあまりみかけなくなった。

彼らは専ら、“一度ひどい目に会ってみたらいい。牛も一回落ちた穴には二度と落ちないというだろう…”と語る。90年代半ばの大餓死のようなひどい出来事はもう起きないということだ。

最近国内に入国した5人の脱北者に、北朝鮮の住民の変化について聞いてみた。

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■ “農業は私がするのに、国家にどうして捧げるのか?”= 今年3月に入国した咸鏡道穏城郡出身の脱北者、キム・キョンシク(仮名)氏は、“去年から土地の税が上がって、労働者たちが集団で抗議する騷動が起った”と語った。

北朝鮮は7.1措置以後、農場員以外に、労働者たちにも、家ごとに農地を指定して農業をさせ、収穫の一部を国家に差し出させる班管理制を拡大、施行してきた。

この措置は改革開放に向かう恐れがあり、北朝鮮は職場単位で農場の畑を分割して指定し、職場で労働者一人当たり300坪ずつ土地を配った。

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キム氏は“自分の土地で直接農業を始めるようになると、労働者たちは死ぬ気で働く。畑に行っても草一本ない。何とかして肥料を求めて撤いたら、大きさからして異なる”と言った。

また、“秋になると土地を指定してくれた経営委員会(協同農場の指導単位)と協同農場から、‘上部で穀物の償還基準が下るまで、秋(収獲)するな’という指示が出て、数署lの労働者たちが抗議する事態まで発生した”という。

同じ地域出身の脱北女性、チェ某氏も、“穏城の炭鉱でも収穫高の10%を国家に償還しなさいといったら、労働者たちが‘農業は誰がしたのか、国家に捧げろと言うのか’と激しく反発した”と語った。

更に、“労働者たちに土地を分けてやった後、飢える人は随分減った”と述べ、“今後、こうした流れに逆行するのは難しいと思う”と語った。

■ 北朝鮮の各地で’録像庁’が増加 = 最近、北朝鮮の大都市には、映像のCDやビデオを上映する、俗称’録像庁’(ビデオの鑑賞室)が増えているという。小さな映画館のような作りの、50坪規模の部屋で映画を見せてくれるので、地域の住民たちの反応はよいという。

去年7月に北朝鮮を脱出した、咸鏡道清津出身の男性は、“清津市の駅前周辺に、録像庁が3ヶ所できた。映画一編が50ウォンだ。一度入ったら、2〜3編は見て出ると気が済む。値段は安くはない”と伝えた。

北朝鮮の録像庁は建物の内部を改造して、’北朝鮮やロシア映画’の上映という名目で政府の許可を得る。だが、多くが中国や香港映画だ。韓国やアメリカ、日本映画、ポルノ映画さえなければ、ひどく処罰されないという。市民が録像庁に来る理由は、24時間停電することなく上映されるからだ。

ソさんは“もし停電したら、店の主人が素早く自動車のバッテリーに切り替えて映画を回す。住民たちの好きな映画は、‘精武門’や‘唐山大兄’に出ている李小竜(ブルース・リー)や大極拳の李連杰(ジェット・リー)のアクション映画だ”と説明する。

外国映画は北朝鮮の住民の意識を変える力強い促進剤の役割を果たしている。韓国ドラマを複製したCDも、密かに北朝鮮全域に‘韓流’を伝えている。’冬のソナタ’のペ・ヨンジュンは北朝鮮でも有名なタレントだ。

数年前から’109常務’(VCD,ビデオ取り締まり班)が組織され、違法映画の取り締まりに乗り出し、先月3日にも人民保安省名義で、’機関、企業所、団体や公民は、国家の承認なしに、金儲けを目的に作ったカラオケや映画鑑賞室、コンピューター利用室をすべて無くすように’という指示を下した。

だが、“韓国ドラマの人気が急増し、一斉に取り締まれない状況になった”とソさんは言う。鑑賞者の多くが、保衛部や保安署と縁続きの人たちで、根絶は困難ということだ。

北朝鮮政府は’資本主義の退廃文化の清算’などという布告文を下すものの、実際は取り締まる当局も受動的な対応に止まっている。

北朝鮮内部の消息筋も2日、記者との通話で、“この間、開城地域一帯を対象に行われた、対朝鮮誹謗放送が、豆満江一帯に移って放送される予定であり、その放送にだまされて祖国を裏切ることがないようにしなさいという内容と、最近、韓国映画を沢山見て、幻想を持つようになって越境する人が多いが、厳重に処罰するという住民への講演が続いている”と伝えた。