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19日に北朝鮮北部、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)で、7階建てのマンションが崩壊した事故はデイリーNKでも既報のとおりだが、デイリーNK内部情報筋によると、これまでに死者は26人に達している。

この事故の原因について、建物の構造を無視したリモデリングのせいではないかとの話が出ている。

(参考記事:北朝鮮北部で7階建てマンションが崩壊、20人以上死亡

情報筋は30日、事故現場の目撃者の話として「19日午前から、2人の建設労働者が、ある部屋で壁を取り払う工事を行っていたが、工事がほぼ終わった頃に、上の階のコンクリートの床が抜け、7階建てのマンションの側面が崩れ落ちた」と伝えた。

税関や貿易会社などの幹部が多く住んでいたこのマンションだが、最近は中国の家のようにリビングルームを広くするためのリモデリングが人気だったという。

北朝鮮のマンションは、小さな居間に部屋がつながる構造が一般的だが、友人を呼べるほどの広いリビングルームを作ろうとして、建物の安全診断などを行わないままに、壁を取り払ってしまったという。

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北朝鮮で住宅は、国が国民に無償で提供することとなっており、所有権を持つのは国で、住民が持っているのは居住権だけだ。部屋を改装するには、住宅監督機関の人民委員会(市役所)都市経営課に知らせなければならないが、ほとんどの場合は黙認されているという。

今回の事故で崩壊したのは建物の一部だったが、保安署(警察署)は、崩壊しなかった部屋に住んでいた住民を避難させた上で、取り壊してしまった。事故現場が、国境を流れる鴨緑江の対岸にある中国・吉林省の長白朝鮮族自治県から丸見えである上に、復旧も困難なため、早急に撤去したようだと情報筋は述べた。

今回の事故について、当局は荒唐無稽な嘘の話を流して、民心を鎮めようとしている。

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韓国に住む脱北者のキム・チュジャン(仮名)さんは、恵山に住む家族から電話で「マンション崩壊事故は、南朝鮮(韓国)の安全企画部(現国家情報院)の奸悪な行為で、警戒心を高めるようにという噂が流れているが、信じる人はほとんどいない」と聞いたと述べた。

おりしも北朝鮮では地方人民会議の代議員選挙の期間中。そんな中での事故を受け北朝鮮政府は、民心を鎮めるために「南朝鮮安全企画部介入説」を吹聴しているのだという。しかし、恵山市民は「どこが安全企画部の行為だ、壁を壊して部屋を作りかえようとしたから崩れたのだ」と、そんな嘘を信じようとしないという。

キムさんの家族は一方で、こんな話をしたという。

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「マンションの残骸を撤去する過程で、個人宅から発見された札束や根の張る品物を回収した。居住者のほとんどは力のある人達なので、(品物が持ち去られても)特に問題はないだろう」

一般庶民の持ち物なら、保安署がネコババする可能性があるが、権力者の持ち物に下手に手を付ければ問題になりうるので、持ち主に返されるだろうということだ。