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北朝鮮は10日に開かれた、南北軍事実務会談を通じて、民間団体による北朝鮮へのビラの散布の中止を要求事項として提示した。こうした要求を、北朝鮮はこれまで16回もしてきたという。

北朝鮮政府は2004年に開かれた南北将軍級会談で、南北が軍事分界線地域で放送と掲示物、ビラなどを通じた宣伝活動を中断することを合意したにもかかわらず、南側の民間団体が、今年に入って対北誹謗ビラを散布していると抗議している。

これと関連し、北朝鮮へのビラの散布を主導しているイ・ミンボク基督脱北人連合会代表は26日、デイリーNKとの電話でのインタビューで、“北朝鮮政府が敏感に反応しているのは、‘ビラ風船’による宣伝に、北朝鮮の人が沢山接して影響を受けているということ”と評価した。

イ代表は“金正日を除いたすべての北朝鮮の人々は、表現はできなくても、心の中では(ビラの散布は)よくやっていると考えているだろう”と言い、“閉鎖された北朝鮮の社会に、外部の消息を伝えるという一念で続けていく”と、活動を続ける意思を明らかにした。

90年に北朝鮮を脱出して、中国やロシアを経て、95年に韓国に入国したイ代表は、‘国連の脱北難民第1号’としてよく知られている。イ代表は現在、韓国で神学大学院を卒業し、北朝鮮にキリスト教を伝える活動をしている。

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イ代表は風船を使って、北朝鮮にキリスト教について書かれた紙などを送り、外部の消息を伝えて、北朝鮮を変化させるという戦略を持っている。特に、イ代浮??Sに、脱北者や宣教団体の会員たちは、今年に入って既に207個(7月18日まで)の大型風船を北朝鮮に向かって飛ばした。

ここにはあわせて59万7816枚ものビラがつけられていたという。ラジオ6台とアスピリンなどの薬品も含まれている。2002年以後、活動を続けてきたイ代表は、北朝鮮に外部の消息を伝えることが、何よりも重要だと強調している。

“東ドイツもソ連も、外部の情報が共産主義を崩しました。東ドイツの最後の首相、ローター・デ・メジエールは、ドイツ統一当時、‘西ドイツは東ドイツに外部世界の情報を知らせようと努力した’と言い、それを認めました。ロシア出身の北朝鮮専門家、アンドレイ・ランコフ教授は‘ソ連はラジオのために崩壊した’と言いました”

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イ代表はまた、“ルーマニアの国民が、独裁者チャウセスクを処刑した時のように、北朝鮮が崩壊すれば、北朝鮮の住民の底力はものすごいものになるだろう”と述べ、ビラの散布と対北放送が、北朝鮮の住民の意識に大きな影響を及ぼしていると確信すると語った。

更に、“こうした活動を支持・支援しないことが、むしろ北朝鮮の住民の底力を無視することになるかも知れない”と述べ、“私も北朝鮮にいた時、韓国から飛んで来たビラを通じて、多くのことを悟った。あの時見たものが今、北朝鮮へのビラを製作する際に、多くの助けになっている”と語った。

当時の経験から、韓国から飛んできたビラに書かれた内容の中で、理解することができなかった表記や用語を、北朝鮮式に表現して、少しでも北朝鮮の住民に気を配ったビラを製作しようと心がけているという。実際、ビラの内容はすべて北朝鮮式だ。

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ビラの内容について、“首領に対する忠誠心と、韓国について偽りの宣伝をしているという点を悟ることに重点を置いている”と説明した。

イ代表は“北朝鮮の社会で暮らしたので、何を攻略すれば、北朝鮮の住民に北朝鮮政権の本質を知らせることができるかが分かる”と述べ、”そのような意味から、脱北者たちが主人公になって、この活動に積極的に乗り出さなければならない”と言葉を続けた。

大型風船を1つ北朝鮮に飛ばすのに必要な費用は、約13万ウォンだ。北風が弱くて、送るのに失敗した風船まで含めれば、かなり多くの費用がかかっている。脱北者や宣教団体、市民団体からの後援金だけで活動を続けている。

散布するビラ1つが、北朝鮮の人民を変えることができると固く信じているというイ代表は、“認めてくれる人はあまりいないが、北朝鮮を改革開放させるには、この方法しかないと思う”と述べ、”北朝鮮が民主化され、統一する日まで続ける”と、力強く語った。