北朝鮮の中央裁判所の報道官は8月31日、韓国紙・東亜日報と朝鮮日報が記事で「わが共和国の尊厳を重大に冒とくした」と主張し、執筆した記者と社長を「極刑に処す」とする報道官談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
報道官談話が言及したのは、2人の英国人ジャーナリストが韓国で8月に出版した『朝鮮資本主義共和国』(原題:North Korea Confidential)の書評記事だ。同書は、1990年代後半の大飢饉をきっかけに、北朝鮮の国民が国家から経済的に自立。なし崩し的に資本主義化が進む実態をレポートしている。
報道官談話は、紙面で同書を推薦した2紙について、「くず売文家らはこの謀略図書に基づいて、『北は資本主義国家よりもお金の力がより強く作用する国』『携帯電話のない若者は敗者扱いされる』『軍隊は無報酬労働部隊』『お金が多い人はいつでも身分が高い人と結婚できる』などのあらゆる悪態をむやみに並べ立てた」と非難。韓国語版の表紙が、北朝鮮の国章の上部にある赤い星をドルマークに変えたデザインであることも「許し難い特大型の反国家犯罪だ」と反発した。
その上で、両紙の執筆記者と社長ら4人を名指しして「極刑」を宣告し、「任意の時刻に任意の場所で追加的な手順なしに即時執行される」と威嚇している。
朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。
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