平安南道(ピョンアンナムド)在住のデイリーNK内部情報筋は、市内に住む人の5割から7割が韓国のラジオを聞いており、核実験とミサイル実験のせいで経済制裁を加えられていることや、大使館員らが韓国に亡命したことも知っていると述べた。
中には、韓国のテレビを受信する人もいる。軍事境界線を挟んで韓国に隣接した黄海道(ファンヘド)や江原道(カンウォンド)一帯はもちろん、平壌より北の地域や、東北部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の海岸部でも韓国の公営放送、KBSテレビが受信できる。
また、情報の壁を壊した最大の功労者は韓流ドラマや映画だ。当局がいくら取り締まっても、その勢いは留まることを知らない。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。