北朝鮮が天安艦措置に反発し『拡声器の撃破射撃』など、軍事的攻撃の可能性を表明した影響から朝鮮半島で緊張が高まっている。

韓国政府は北朝鮮の魚雷攻撃による沈没と断定、朝鮮半島の平和と安定を破壊する重大な挑発と規定し、軍事的・非軍事的な全ての対北制裁を予告した。これに対し北は無関係を主張し『戦闘動員態勢』を指示するなど緊張を高めさせている。

特に韓国政府が対北拡声器放送およびビラ散布など心理戦再開の動きを見せている為、北朝鮮当局は照準打撃など軍事的攻撃も辞さないと強く反発している。

この為、国防部は南北関係や政治状況などを考慮して、再開を先送りした。対北制裁による緊張が高まりから発生する最悪の状況を念頭に置いて速度の調節に出たのだ。

専門家たちは▲金正日独裁政権の本質、▲米韓軍事同盟など確固たる抑止力、▲領域内の安定を追求する中国との関係、▲北朝鮮の内部状況などを考慮した時、朝鮮半島で戦争が勃発する可能性が低いと指摘する。

黄長ヨプ北朝鮮民主化委員会委員長（前労働党書記)は「金正日は体制維持が最も重要だ。体制が崩れる恐れのある戦争や改革開放を絶対にしないだろう」と話した。

キム・ヒサン韓国安保問題研究所理事長（前大統領府国防補佐官）は、「独裁者金正日は自身の生命を最も大切に思う臆病者で、体制崩壊が起きうる全面戦争よりは緊張造成程度の挑発を通じて、体制の結束を図るだろう」と見通した。

キム・ヨンス国防大教授も「金正日の対南戦略において全面戦争は考慮対象でない。致命的な危機をもたらす戦争の拡大は、南北双方が願わない事で、特に体制維持のためにでも全面戦争は行うはずもなく、強気の姿勢をアピールする程度だ」と話した。

特に後継ぎ告}の安定化、経済難など金正日政権の内部事情を見る時、今の南北間対決告}が戦争に広がる可能性は低いという指摘も出ている。

キム教授は「金正日は先軍体制を強化し後継体制の安定に向け朝鮮半島に緊張状態を作る必要があり、後継者構築を難しくさせる措置は取らないだろう」と展望した。イ・サンヒョン世宗研究所安保研究室長は「経済難などの内部事情を客観的に見れば、全面戦争の可能性は低い」と判断した。

しかしながら、専門家らは最悪の場合に備えて『抑止力』を強化しなければならないと話した。米韓軍事同盟が戦争挑発を防ぐ最も効果的な手段と説明した。

キム・テウ国防研究院軍備統制室長も「金正日が挑発を拡大できないようにする抑止力が重要だが、米韓軍事同盟を通じた米国の莫大な軍事的支援は、金正日への戦争抑止力としては最高の手段だ」と説明した。

これと共に専門家らは同盟関係の中国、ロシアとの関係のから金正日が全面戦争を行えないと指摘した。特に中国は現在上海エキスポを開催しており、11月にはアジア競技大会が予定されている状況で戦争だけでなく、半島での緊張造成も容認しないだろうというのが専門家たちの説明だ。

キム室長は「中国も天安艦事件と関連し北朝鮮を支持しない立場だ。ロシアも専門家を派遣し韓国の調査結果を検討するなど、北朝鮮に相当な圧迫を与えるだろう」とし、イ研究室長も「中国は北朝鮮の戦争挑発を容認しないだろう」と話した。