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今まで武器の生産に専念していた軍需工場に外貨稼ぎが命じられたことについて地域住民の間では、軍需品の生産が落ち込んだせいなのか、深刻な外貨不足に陥ったせいなのかなど、様々な憶測が飛び交っている。

いずれにせよ軍需工場の外貨稼ぎはうまくいかない可能性が高い。国連安全保障理事会が全会一致で採択した制裁決議2371号には、海産物の輸出の禁止が含まれている。仮に獲れたイカを国内向けに回しても大した儲けにはならない。中国への密輸という手があるが、これも経済制裁下では限界がある。

金正恩氏の兵器開発部隊の努力は水の泡に終わるだろう。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記