そのようなリスクを冒しながら正恩氏が現地指導を続けるのは、何の業績もないまま父親からの禅譲により独裁者となった立場上、米軍に立ち向かって「勝利」した経歴を積み上げる必要があるからだろう。軍隊では、たとえ実験であっても、重要なものについては実戦同様の意味を持たせた「作戦」として行われる。正恩氏と北朝鮮の軍にとって、一連の弾道ミサイル発射がこの上なく重要な作戦であるのは疑いない。
このような、外部から見れば「暴走」にしか見えない行為も、数十回以上も繰り返した末に、北朝鮮が国際対話で何らかの成果を得ようものなら、それは立派に、正恩氏の業績になってしまう。北朝鮮国民がいま、平和と安定した国際関係を望んでおり、それに背を向ける正恩氏に不満を募らせているのは間違いない。そういった意味において、彼らと我々は「味方」なのだ。
(参考記事:「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民のキツい本音)しかしそれも、いつの日か正恩氏が「立派な業績のある指導者」となってしまったら、どのように変化するかわからないのだ。
