北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、「米国が朝鮮半島情勢を口実にして対中国圧迫を強めているのは、地域における絶対的優勢を狙った無謀な企図の発露である」とする署名入りの論評を配信した。台湾問題や南シナ海の領有権問題にも言及しており、中国の立場に理解を示すかのような内容となっている。
論評は、「国連安保理の『制裁決議』なるものは朝鮮半島の核問題の根源であり、直接的な当事者である米国には『決議』履行監視権限を付与し、中国をはじめとする他の国は自分の戦略的利益をさんざん侵害されながらも、しまいには責任だけを負わせるようにしている」と指摘。
対北朝鮮制裁を巡る米中の葛藤に触れる一方で、「地域覇権を狙った米国の力の優勢に対処して中国が核戦力の建設を強めているこんにちの現実は、(中略)われわれの自衛的並進路線の正当性を雄弁に立証している」として、自らの核開発の正当化につなげている。