北朝鮮の金正恩党委員長は今年春、国家保衛省(秘密警察)に対して「人権侵害をやめよ」との指示を出したと伝えられている。
保衛省に対する厳しい検閲(監察)と同時期に出されたこの指示により、保衛員(秘密警察の要員)の態度はかなりソフトになったと伝えられたが、北朝鮮の人々は「どうせ一時的なものだろう」と冷ややかな目で見ていた。実際、その通りになっている。
北朝鮮の両江道(リャンガンド)恵山(へサン)市に住むキムさんは、デイリーNKにとくに極悪な保衛員のことを知らせてきた。その人物は、市内の蓮峯二洞(リョンボンイドン)を管轄する保衛指導員、カン・ジニョク上尉だ(※注=上尉は大尉と中尉の間の階級)。