タイに流入する脱北者が、必ずしも北朝鮮から直接やって来たとは限らない。中国には数万人とも数十万人とも言われる脱北者が潜伏しており、彼らがミャンマーやラオスを通じてタイに入るルートが存在するからだ。
北朝鮮当局は、脱北を防ぐために国境の警備を強化しているため、脱北のハードルが非常に上がったと伝えられている。中国当局は同時に、国内にいる脱北者に対する取り締まりを強化している。つまり、数ヶ月から数年前に脱北して中国に潜伏していた脱北者が、タイに逃げているのが自然であると思われる。
ラオスでは強制送還も
難民条約(難民の地位に関する条約)に加盟していないタイは、流入してきた脱北者を難民として認めず、不法越境者、不法滞在者として逮捕している。しかし、北朝鮮に送り返すことはせず、国外追放の形で韓国や米国などに送り出している。