それでも、金正恩時代になりクーデター未遂の情報が出たのは初めてだ。核・ミサイル開発の進展を受け、関係国にかつてなく「北朝鮮の体制崩壊」を期待する雰囲気が強い時期だけに、気になる話と言える。
クーデター未遂の情報を紹介しているのは韓国のNGO、北韓情報サービスセンターの代表で、有力シンクタンクである世宗研究所の客員研究委員も務めるイ・ユンゴル氏だ。自身も脱北者であるイ氏は、北朝鮮中枢の人事動向に関する情報通として知られる。
イ氏によれば、ことが発覚したのは今年1月ごろ、首都・平壌の海の玄関口である平安南道(ピョンアンナムド)南浦(ナムポ)に駐屯し、首都防衛の重責を担っている第3軍団でのことだ。仮にこの部隊が決起すれば、一気に平壌が陥落することもありうる。