金正恩政権も手を焼く北朝鮮版「半グレ」の正体

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中でもコチェビはまともな仕事にありつくことすら難しい。そんな不条理な社会への不満から犯罪に走るのだ。

今年3月に撮影された、清津市の水南市場の裏通りで遊ぶコチェビたち。周りの視線を気にしながら物乞いしていた以前とは異なり、生き生きとした様子だ。(画像:デイリーNK)
今年3月に撮影された、清津市の水南市場の裏通りで遊ぶコチェビたち。周りの視線を気にしながら物乞いしていた以前とは異なり、生き生きとした様子だ。(画像:デイリーNK)

事態が深刻なレベルに達し、保安署(警察署)には通報が相次いでいる。状況は認識しているが、何もしようとしない。貧富の差が根本的な理由であるため対策を立てようがなく見て見ぬふりをしているというのだ。

保安署は、窃盗団に仕事を与えるなどの対策を取るべきだが、関わり合いになりたくないようで、取り締まりすらしようとしないと情報筋は嘆いた。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記