北朝鮮は世界でも珍しい移動の自由がない国だ。市や郡の境を越えるには旅行証、つまり国内用のパスポートが必要になる。旧ソ連のシステムを手本にしたものだが、本家本元より遥かに厳しい。
さらに当局は、何かにつけて移動禁止令を敷き、旅行証の所持者までも他地方への移動を禁止し、宿泊検閲(民家に住人以外の人が泊まっていないか確認する作業)を行うが、社会に与える影響が大きいせいか、長期間続けることはなかった。
(関連記事:北朝鮮、夜な夜な一般家庭を宿泊検閲)ところが、今年は様子が違うようだ。4月初旬に中朝国境地域に出された移動禁止令が未だに解除されないというのだ。