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コさんによると、北朝鮮の病院には抗生物質、点滴液、レントゲン用フィルムが不足しており、あったとしてもレントゲンの解像度が低くて正確な診断を下すのが難しい。病院の施設や医薬品以前に、医療関係者の食料問題すら解決できていない。コさんは栄養失調から来る慢性胃炎に苦しめられていたという。

また、北朝鮮の医学は、伝染病と外傷に偏重しており、他の病気については概略しか学ばないことが多いため、医薬品や医療機器の扱い方を知らない医師が多いとのことだ。東洋医学への偏重ゆえに、西洋医学に接する機会が少ないのも問題だという。

(参考記事:知られざる北朝鮮精神病棟「49号病院」の実態

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記