そしてもうひとつは、中国当局が脱北者の摘発を強化し、北朝鮮へどんどん送り返していることがある。
人権白書によると、中国当局はとくに、北朝鮮女性をねらった組織的な人身売買の摘発に注力しているという。人身売買の被害に遭った北朝鮮女性は、中朝国境から遠く離れた黒竜江省まで売られていくケースもあるようで、また少なくない被害者が、アダルトビデオチャットなどの性風俗業に従事させられている。
(参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち)中国当局も、こうした状況については憂慮しているようで、摘発が強化された結果、「大規模な組織的人身売買は根絶されたようだ」と人権白書は指摘している。