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在日朝鮮人3世のイソク(仮名・35)さん。

彼は幼い頃から金正日のために日本と戦う‘戦死’になりたかったという。日本で生まれ育ったが、彼にとって日本は敵にすぎなかった。他の‘在日’(在日朝鮮人)のように、北朝鮮体制と自分を同一視した。朝鮮語を書く朝鮮総連の学校に通い、北朝鮮が社会主義の楽園だと学んだ。

1990年の初め。彼は総連幹部の資格で平壌を初めて訪問した。“北朝鮮は私が学んだ所と、180度異なる所だった。北朝鮮がどれだけ悲惨な所なのか、誰も教えてくれなかった”と彼は回想した。

イさんは北朝鮮に対して、相変らず愛情を抱いているが、朝鮮総連に対する失望が大きくなり、2001年に脱退を決心した。

アメリカの時事週刊誌タイムが10日、‘金正日はどのように日本のファンを失ったのか’という記事で、朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)を去る在日朝鮮人の姿を描いた。

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タイムはこの数年、新しく北朝鮮政権の醜い実態が相次いで迄Iされるにつれて、金正日に背を向けて朝鮮総連を脱退する在日朝鮮人の数が急激に増えていることを明らかにした。

1955年に設立された朝鮮総連は、日本社会の差別に対立して、在日朝鮮人の社会を保護し、朝鮮語と朝鮮の文化を教えるなど、在日の人たちのアイデンティティを保存することに献身した。しかし、時が経つほど、在日朝鮮人社会の暮らしを向上させるよりも、金日成と金正日に資金を渡す窓口としての役割を果たす機関になっていった。

1960年代からは、朝鮮総連の主導の下、在日朝鮮人数万人の帰国事業が始まった。地上の楽園を夢見て北朝鮮に到着した人々を待っていたのは、想像もできない抑圧と苦痛だけだった。

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今年69歳になるチェ・クイルさんは、朝鮮総連の誕生と没落を間近で見守った人だ。在日朝鮮人に対する差別がひどかった1961年。大学まで卒業したが、日本の会社では誰も彼を雇ってくれず、結局、朝鮮総連のために働き始めた。

在日への差別が減り、日本社会に同化

しかし、チェさんは“朝鮮総連は金日成のための道具に過ぎない”という事実を悟るようになったという。彼は“金日成は在日を、北朝鮮体制のための人間の資源として活用しただけ”と厳しく批判した。

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朝鮮総連は分断以後、数十年間にわたって、在日朝鮮人の人たちが出した寄付金を、北朝鮮に渡していると推測されるとタイムは指摘した。数千万ドルの資金を北朝鮮に秘密裏に送った朝鮮総連は、現在5億ドルの借金を抱え、東京にある中央本部の建物と土地は差し押えの措置までとられた。

朝鮮総連のある関係者も、“朝鮮総連が在日朝鮮人の人たちの社会が求める問題をきちんと代弁することができず、人々は離れ、北朝鮮に対する忠誠心が低下している”と明らかにした。

特に、1990年代に入り、北朝鮮の苛酷な人権弾圧の実態が知られ始め、2002年には北朝鮮政権が日本人の拉致の事実まで認めて、在日の社会に衝撃を与えた。

去年の10月に北朝鮮政府は核実験まで敢行し、日本国内で在日の人たちは、辛い立場におかれている。朝鮮総連を離脱する在日も増加した。

今は日本国内で在日の人に対する差別がかなり緩和した。日本人と結婚したり、日本国籍を取得することをはばからなくなったという点も、朝鮮総連を脱退する人が増えた原因であると思われるとタイムは分析している。

朝鮮総連の関係者は、“複雑な感情ではあるが、北朝鮮に対する在日朝鮮人の人々の好意は完全に消えてはいない”と言いつつも、“ワールドカップの最中、人々は北朝鮮ではなく日本を応援した。日本に住んで北朝鮮を応援することは、もうとても変わったことになってしまった”と打ち明けた。