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北朝鮮当局は、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士の市場への立ち入りを禁止した。配給物資の横流しをブロックするのが目的と思われる。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、人民保安省(警察)は金正恩党委員長に住民動向資料を提出した。そこには、市場で流通する食料、商品のかなりの部分が軍部隊から横流しされたものだと報告されていた。

それを見た金正恩氏は、すぐに対策を講じることを命じた。それを受けて朝鮮人民軍の総政治局は今月、全国の部隊に対して、指揮官、兵士ともに市場に出入りすることを禁じた。

警務部(憲兵隊)の兵士は、清津の駅頭で兵士の取り締まりを行っていたが、今回の指示を受けて市場の入口に移動し、検問を行い始めた。また、清津に駐屯する第9軍団、42海上戦団、清津海岸警備隊の保衛部(秘密警察)の幹部も、私服姿で市場のパトロールに乗り出した。

市場に出入りしていることが発覚した兵士は、警務部に連行され取り調べを受けた上で、所属部隊の保衛部に身柄を引き渡される。ひどい拷問を受けた上で、部隊内で最高で4ヶ月の革命化労働(強制労働)と思想学習を強いられる。

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市場は、指揮官にとって国からの配給物資を売り払う場所であり、末端の兵士にとって窃盗、物乞いの場所となっていた。情報筋によると、食料のみならず海産物、軍服、軍靴など様々な配給品が横流しされている。

総政治局は、市場は北朝鮮社会で資本主義的要素が唯一残っている区域だと指摘、2013年に第7軍団の兵士が集団で韓国映画を見た事件が発生したが、市場でCDが流通しているために起きた事件だと見ている。

北朝鮮では、全体的に食糧事情が好転している。食うや食わずの時代は過ぎ去り、市場にさえ行けば、個人が生産した様々な食料品が手に入るようになっている。しかし、食料を共同農場からの配給に頼っている軍隊では、未だに飢餓が深刻だ。

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これは、軍の幹部や、輸送担当者が、配給品をネコババして市場に横流ししたり、中身を安物に取り替えたりする行為が横行しているからだ。幹部と言えども、国からもらえる給料はコメ1キロ分にしかならず、配給品を横流しして現金収入を得なければ、自分も家族もたちまち餓死してしまうからだ。

そのような状況を改善せずに、強行措置で押さえつけようとしても、失敗に終わることは火を見るよりも明らかだ。