さらに、文氏が所属する「共に民主党」の国会での議席数は総定数300に対して120と過半数に達しておらず、内政問題で困難を抱えることが予想される。また、人権派弁護士として活躍した経歴を持つだけに、政治犯収容所に象徴される北朝鮮の人権蹂躙に対する姿勢も問われるだろう。
(参考記事:北朝鮮、拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も)厳しい船出といえる文政権に対して、金正恩氏が核実験や長距離弾道ミサイル発射などの強硬姿勢で臨めば、文氏が掲げる北朝鮮との対話路線は、早々に「無様な失敗」の烙印が押される可能性がある。そうこうしているうちに、北朝鮮は核兵器の材料となるプルトニウムや高濃縮ウランを増産し、弾道ミサイルの性能も高めていくだろう。