これは、国際社会の批判に屈したことに対する「強がり」であると同時に、今後は他の問題での特別報告者の訪問は認めないとする「予防線」でもある。
北朝鮮が批判されている人権問題には、大きく分けて2種類ある。ひとつは、決断すればただちに改善することのできる現在進行形の人権問題だ。そしてもうひとつは、もはやどうやっても取り返しのつかない、すでに犯してしまった「人道に対する罪」である。
後者には、公開処刑や政治犯収容所における国民虐殺が含まれる。
(参考記事: 謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」)金正恩党委員長が最も恐れているのは、こうした「人道に対する罪」の責任を問われることに他ならない。そして、もはやそこから逃れられないことを知っているために、半ば自暴自棄になって「核の暴走」を続けているのである。