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チェさんの妻が妊娠中にもかかわらず、脱北したもう一つの理由は、生後間もない赤ん坊を抱えての脱北は逆にリスクが高かったからだという。国境をこっそりと越える時に、乳児が泣き出せば、国境警備隊に見つかる可能性があるからだ。

チェさんが、身重の妻と一緒に脱北するのは相当な勇気がいったと思われるが、中国に逃れてからは、逆にお腹の中の子のおかげで危機を脱したという。

「中国では脱北者であることがすぐにバレてしまう。北朝鮮の人間の多くは骨ばっていて、日焼けして肌が浅黒いからだ。しかし、身重の妻を支えつつ歩いていたおかげで、公安に怪しまれることはなかった。妻を連れていたことが幸運をもたらした」