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北朝鮮の体制崩壊は時間の問題だ。中国式改革開放を通じた北朝鮮の軟着陸を期待した人々も、その可能性は低いと考えはじめた。崩壊の可能性は高まっているにもかかわらず、多くの人が北朝鮮の体制が崩壊するのは有り難くないと思っている。

理由はおよそ2つある。1つは韓国にもたらされる経済的、政治的、社会的負担が大きいということで、もう1つは金正日政権が崩壊したら、北朝鮮が中国の’属国’になるという心配のためだ。前者は充分に理解することができる理由だが、後者は納得しにくい。

いわゆる北朝鮮の‘中国属国論’の根拠を見よう。

第1に、北朝鮮の労働党員や軍人が韓国やアメリカに比べて、中国に対しては相対的に拒否感や恐怖がより少ないということ、第2に、北朝鮮で事態が発生した時、‘中朝友好協力及び、相互援助条約’によって、中国は直ちに介入することができる権利がある一方、他の国々は国際法的に適切な介入の根拠がないということ。

第3に、中国は領土的関心が高く、周辺国と絶えず領土紛争をしてきたということ。第4に、北朝鮮は中国にとって非常に重要な軍事戦略上の要衝地だから、これを絶対に、潜在的敵対国の影響圏に渡さないということだ。

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北朝鮮が属国になれば、中国は損害

上の主張は真実に基づいたものだが、これだけで北朝鮮が中国の属国になると速断するのは論理的な飛躍である。

北朝鮮が中国の力強い同盟国として残ることは、中国にとって明らかに利益がある。しかし、北朝鮮が中国の属国になることは損害が明確である一方、利益は不明確だ。

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第1に、北朝鮮が中国の同盟国として残った時、中国の最大の利益は北朝鮮を国際的衝突の緩衝地にすることができるということだ。

北朝鮮が中国の同盟国と言っても、アメリカと中国が戦争をした時、アメリカは北朝鮮をむやみに侵攻することができない。独立国家の侵攻に対する国際的反発と抵抗が高まるはずだからだ。だが、北朝鮮が中国の属国になれば、アメリカが北朝鮮を侵攻するのにともなう負担が相対的に少なくなる。中国が北朝鮮を属国にするのは、対米軍事戦略のレベルで見たら逆効果の戦略であるわけだ。

第2に、南北朝鮮はすべて、民族主義的性向が非常に強い。北朝鮮が中国の単純な同盟国として残ったら、これに対する抵抗感は大きくないが、もし北朝鮮が中国の属国になれば、これに対する北朝鮮の住民の抵抗は非常に強まり、むしろ同盟の離脱を促す政治的力として作用するだろう。

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韓国も民族主義的性向を持っている。北朝鮮が中国の属国になって、積極的な改革開放を推進した時、現在に比べて数百数千倍も増えた各種の南北交流には、民族主義が流れるようになるだろう。

民族主義は北朝鮮に流れ込むおびただしい資金にもついてくるだろう。政治的基盤が虚弱なことが明確な北朝鮮の新政権、すなわち中国の傀儡政権がこれに耐えることはできない。傀儡政権の崩壊は同盟からの離脱につながるだろう。

第3に、中国は現在、各種の教育機関と言論機関で帝国主義は悪であり、帝国主義を憎むように教育宣伝している。中国は近現代史で一貫して、帝国主義の被害を被った国家として宣伝している。そのような中国が属国を作って、自ら帝国主義国家になったら、それは中国の立場としても自尊心が傷つくことだ。

第4に、北朝鮮が中国の属国になったら、日本と東南アジアの一部で提議されている中国脅威論がより大きな力を得るようになるだろう。アジアは言うまでもなく、全世界の舞台で中国の動きに相当な拘束がもたらされるようになるだろう。それは中国の外交戦略にとって大きな打撃だ。

体制転換後は親中-親米が有利

北朝鮮が中国の属国になることは、北朝鮮の住民と韓国はもちろん、中国の利益にも合わない。

アメリカや日本、ロシアなど、利害関連国の利益にも合わないし、朝鮮半島の将来と東アジアの平和に否定的な影響を与えるだろう。実際、北朝鮮の中国属国化は可能でもないが、世界はそのような反歴史的なことを容認しないだろう。こうした側面から見ると、北朝鮮が中国の属国になる可能性は非常に低い。

しかし、北朝鮮に親中的政府ができることは、これとは別の問題だ。北朝鮮に中国と密接に協力する政府ができることは、北朝鮮の発展のためや、北朝鮮の安保のため、また朝鮮半島及び東アジアの平和のために望ましいことだ。親中は自主性と背馳することでは決してない。誰かと助け合い、積極的に交流することはむしろ自主性の兆候だ。

現在の韓国も中国と切り離すことができない関係だが、北朝鮮や統一後の韓国は、現在の韓国よりも中国との関係がより重要になるだろう。北朝鮮や統一韓国は市場、生産基地、投資、技術提携、文化交流、地域安保など、すべての分野で中国と積極的に協力するようになるだろう。中国の浮上の速度と東アジアで占める政治、経済的地位を考慮すると、そうした状況を避けることはできなそうだ。

中国とも親しくして、アメリカとも親しくしなくてはならない。アメリカと親しくすれば、中国とは親しくしなくてもよいとか、中国と親しくすれば、アメリカと親しくできないという考えは危険である。