現地では昨年まで、朝夕1時間ずつ水道水の供給があったが、最近は完全に断水してしまい、住民は飲料水や洗濯のために川の水を利用してきた。それなのに川への接近が禁じられ、町内に1つしかない井戸には地域住民が殺到し、1時間待ちとなっている。また、飲料水は遠くの山から水を運んできて売る水屋から買わざるを得ない状況だ。
川沿いに暮らして「水のことで苦労したことはない」(情報筋)という地域住民の不満は非常に強い。地方の現状について知りもせず、知ろうともしない中央の姿勢の現れだろう。
茂山(ムサン)や会寧(フェリョン)など、豆満江沿いの比較的大きな町では、昨年8月末の台風による大水害で、川沿いの地域のほとんどが流されてしまった。当局はこれらの地域を復興させず、住民を内陸に移住させる方針だと伝えられている。
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