北朝鮮では、社会の閉鎖性せいで様々な犯罪が表ざたにならず、隠されたままになっていることが脱北者らの証言で分かっている。元教員で脱北者のキム・スンヒ氏(42歳)は、「皆が口に出さないだけで、未成年者への犯罪はとても多い」と話す。

たとえば、どのような事件が起きているのか。

2人の脱北者の証言によると、次のようなケースがあったという。伝聞によるものであり、出来事の全容が正確に語られているとは限らないが、ほかに北朝鮮の犯罪実態を考察する手立てもないため、敢えて紹介することにする。

母親が食糧調達に出た間に

【事例1】1980年代の中ごろ、江原道鉄原(チョロン)市で9歳の女児、オクリョンちゃん(仮名)の遺体が市街地の裏山の洞窟で発見された。

当時、小学3年生のオクリョンちゃんは、捜索に当たった軍部隊により、全裸の状態で発見された。衣服は同じ洞窟内で見つかった。オクリョンちゃんは軍隊勤務の父に会うため、部隊を訪れた際に事件に巻き込まれた。

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