1962年に米軍を脱走、北朝鮮に亡命した米国人のジェームズ・ドレスノク氏が死去したと米国の北朝鮮専門ニュースサイト、NKニュースが報じた。
北朝鮮専門の旅行会社、コリョツアーズのサイモン・コッカレルCEOによると、昨年末に平壌の映画界の知人を通じてドレスノク氏が死去したと聞いたが、正確な日付はわからないと述べた。
匿名を要求した観光客は、ドレスノク氏が重病にかかり、2年前には面会できないほど病状が悪化していたと語った。
米バージニア州出身のドレスノク氏は、高校中退後に米陸軍に入隊し、西ドイツでの勤務を経て韓国の軍事境界線付近の基地に配属されたが、書類のサインを偽造した容疑で軍法会議にかけられた。彼は処罰から逃れるため、1962年8月15日に軍事境界線を越えて北朝鮮に亡命した。
同様に米軍を脱走し北朝鮮に亡命したラリー・アブシャー氏、ジェリー・パリッシュ氏、そして後に拉致被害者曽我ひとみさんと結婚したチャールズ・ジェンキンズ氏と同じ施設に収容され、長期間にわたる思想教育を受けさせられた。当初はソ連大使館に逃げ込み亡命を図ろうとするなどしていたが、北朝鮮への生活に適応していった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ルーマニア人拉致被害者のドイナ・ブンベア氏と結婚し、2人の息子をもうけ、平壌外国語大学で英語教師を務めるかたわら、プロパガンダ映画に米国人役で出演していた。アブシャー氏とパリッシュ氏は北朝鮮で死去し、ジェンキンズ氏は曽我ひとみさんと共に日本に帰国したため、ドレスノク氏は「最後の脱走兵」と呼ばれていた。
ドレスノク氏の息子、テッド・ドレスノク氏(朝鮮名ホン・スンチョル)は軍事教育機関勤務で、ジェームズ・ジュニア・ドレスノク氏(朝鮮名ホン・チョル)は朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に入隊し、上尉になっている。その姿は、米国の親北朝鮮系ニュースサイト民族通信とのインタビューで初めて明らかにされた。