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ソウルのとある小さな教会。脱北者の国内定着教育施設であるハナ院を出てから10日も経たない脱北舞踊家が、ビデオの画面を見て練習をしている。

平壌国立民族芸術団に所属して、ャ関舞台を持つほどの実力派だったという。30代前半ですかと聞いたら、顔を赤らめて‘42’と答えた。

脱北舞踊家チョ・ミョンヒ(仮名)さんは、“会長の期待を裏切らないためにも、熱心にしなくてはならない”と言った。彼女は既に、平壌芸術団所属ではなく、脱北芸術人総連合会(NK芸総)のキム・ヨンナム会長が率いる平和統一芸術団(以下芸術団)に所属している。

5日にキム会長に会いに行った。練習室はひっそりとしていた。練習室がなく、アコーデオンの演奏をしていた教会の礼拜堂を借りているという。

キム会長は先月26日に、北朝鮮の最高レベルのプロ芸術家出身が集まった、NK芸総を創立した。北朝鮮の芸術を広めるという主旨だ。また、北朝鮮で水準の高い芸術公演を行っていた脱北芸術家たちに舞台に立つ機会を与えるためだ。

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日本の植民地時代の有名な舞踊家、崔承喜の弟子である振付師の金英順さんと、功勲俳優出身の声楽家、キム・スニさん、脱北ピアニストのキム・チョルンさんなど、100人余りの脱北芸術家が参加した。NK芸総は北朝鮮の芸術団のように、器楽や声楽、話術、舞踊の分野に分けられている。

NK芸総は今月にも社団法人登録をして、文化観光部の支援をもらって本格的な活動に乗り出す予定。各種の祝典や行事での公演は勿論、文化体験などの‘南北文化芸術の壁を崩す活動’などの行事も計画中だという。


“私が団長を務めている平和統一芸術団も実はアマチュアです。2002年に韓国に来るやいなや、プロが集まった脱北芸術家団体を作りたかったのですが、まだ時ではなかったようです。当時、3年後に集まろうといいながら別れて、また再会しました。北朝鮮の芸術を正しく伝えて、広めたいと思っています。

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NK芸総には北朝鮮で音大を卒業したり、有給芸術団で活動した専門の芸術家が集まりました。断絶した北朝鮮の芸術の壁を崩して、南北間の同質感を持つためです。いくらよい目的でも、一人一人でしていたら、ややもすると言葉だけで終わる可能性があるでしょう。それで一緒に集まったんです”

キム会長は平安北道の青年芸術団団長として活動していた2002年に、家族と一緒に脱北した。会長は“北朝鮮の文化・芸術は、すべて金日成と金正日に従事するようになっている”と語った。

“北朝鮮に首領と党を離れた芸術はありません。すべての芸術と文化が、金日成と金正日に関係しています。そのため、私自身が望むことを表現することができなくて。愛がどうして、首領に対する愛しかないのでしょうか。北朝鮮では母に対する愛や父に対する愛さえ表現することができません。文学作品や歌詞を過って、監獄に行った人も多いですね”

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“私は叔父が韓国に入国した越南者の家族でした。北朝鮮で本当に一所懸命暮らしましたが、うまくいきませんでした。1994年に芸術家として最高の地位に上がることもできたのですが、土台(成分)がひっかかってだめでした。あの時、本当に‘これは違う’と思いました。しなさいといえばして、してはならないといったら、自分の思い通りには何もできませんでした。努力しただけ結果が出るというのでもなくて”

NK芸総の創立式で、‘北の芸術家の表現の自由ために団結せよ’という内容の文章を発表したのも、こうした理由からだ。“北朝鮮は芸術家に芸術活動の自由と権益を保護しなければならない”と主張したこの文章は、対北放送の自由北朝鮮放送を通じて、北朝鮮の住民たちに伝わった。

キム会長は民族文化作家会議が開かれたり、韓国の歌手が北朝鮮で公演をする南北間文化交流を歓迎すると言った。同時に、北朝鮮の芸術の現実をきちんと伝えなければならないという指摘も忘れなかった。

“韓国の歌手が北朝鮮で公演した時、北朝鮮の人々は最初は拍手もできなかったが、最後には大きな拍手をしたといいます。南北間の文化の壁を崩すことはよいことです。

北朝鮮に韓国の芸術家がよく行って交流しなければならないと思います。でも、行って来てむしろ悪い影響を受けてはならないでしょう。(現在の北朝鮮の芸術交流の主導者は)北朝鮮の芸術の内情と現実をよく知らないようです。だから、くさい物にふたをするようになってしまいます。北朝鮮の人に直接話せなくても、芸術の真の意味を徐々に感じられるようにしなければなりません”

キム会長は更に、“NK芸総の創立を控えて、韓国芸総や統一部に参加を要請しようと尋ねたら、担当者は‘私は北朝鮮によく行く’とばかり言って、結局参加しなかった”と語った。キム会長は北朝鮮政府の顔色を伺いながら、脱北者には関心を向けないと、政府の態度を批判した。

一方、キム会長は北朝鮮の文化芸術が、韓国社会で大衆になかなか認知されないという問題も積極的に乗り越えたいと語った。北朝鮮の芸術が韓国で大きな話題になるが、見ようというものがなかなかないのが問題だと言った。その限界を越えるのが最初の目標だ。

キム会長は“最初に‘始めまして’という時にはぎこちなくても、今は慣れたように、伝え続けたらもっと慣れるだろう”と言いながら、“一瞬にして実現するものでしょうか”と微笑んだ。

更に、“去年、済州島で企画公演をしたが、まだ力が足りないということを切実に感じた”と述べ、“これから北朝鮮の芸術の力量を高めるために、一層努力する”と自信をみせた。