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今年も北朝鮮で大量餓死が発生したという情報が伝わってきた。

今月9日、北朝鮮支援団体が内部消息筋の話を引用し、北朝鮮の新義州で市の党が調査した結果、300人余りが飢え死にしたと伝えた。また、食料が無く今すぐにも飢え死にしそうな家庭が1,000余りに上ると伝えた。

韓国政府はこれに対して、「事実の可能性は低い」との立場を見せており、大量餓死説は春窮期に差しかかり拡大するとの見通しだ。

この団体はほぼ毎年大量餓死説を流しており、今年も繰り返した。

同団体は先月2日に消息筋を通じて、「今年の1月初めから26日まで、タンチョン市で餓死者が一番多かった。タンチョン市の各人民班で、餓えのため働くことのできない人が増え、死亡者も一日に1〜2人ずつ出た」と伝えた。

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この先、4月と5月になれば90年代中盤に発生した大量餓死が再び発生するとの推測が既に出ている。

平安南道順天市と平城の餓死者発生の状況が一際悪いとし、「正確な数字は統計されていないが、1月中旬以降、1ヶ月ですでに数千人が死んだと伝えられた」と主張した。

北朝鮮の食料不足を否定できないのは事実で、『10年ぶりの豊作』と言われた2005年以外は、慢性的な食糧難に陥っている。

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今月9日、韓国農村経済研究院(農経院)が、「2010年の北朝鮮の食料配給の展望」という報告書で、昨年秋から今年の夏にかけて生産される穀物は、搗精量を基準にして380万〜400万トンと推算した。

農経院は、北朝鮮の穀物の所要量は523万トンになると推定しており、約120万から140万トンの食糧が不足すると伝えられた。(食料生産量及び所用量は、国際機高竦ュ府機関、脱北者の証言が一致しておらず、正確な数値を計量化するのが難しい)

政府は昨年もこれと同レベルの食料が不足すると警告していた。統一部は、北が昨年は約411万トンの食糧を生産し、食料需要量が548万トンであるのに対し、130万トン以上不足したと明かした。しかし、北朝鮮では昨年、大量餓死は発生しなかった。

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400万トン以上という食糧生産量は、大量餓死が発生した1990年代中盤と比べ、最低でも100〜150万トンほど多い数字だ。

当時の食料事情を把握している脱北者は、「1994年当時、北の食料生産量は150万トンほどで、1996年までは200万トンを生産しただけだった」と言った。

1990年代中盤の食糧難の時は住民が生存方法を知らず、「成す術が無い」状況だった。当時を乗り切った人々は、生存手段を身に着けなければならないとの教訓を得た。そして市場が開かれ、商売が活発になった。昨年の貨幣改革以後、北朝鮮は市場を封鎖したが、食糧難が高まると再び開放した。

今年は国連制裁の影響で支援が大きく減るとの予測が出ている。

支援の大部分を占めていた韓国からの支援も、自国民の保護と核問題を理由に支援を保留している。

しかし、大量餓死が発生した兆しはまだ見えていない。また、毎年のように餓えに対する危機感が高まっているが、大量餓死が起きる可能性は低いと思われる。

北朝鮮支援団体が300人が餓死したと伝えた新義州は、平壌と恵山と比べても、米の価格が一番安い地域のひとつだ。デイリーNKの調査によると、新義州の米の価格は2月初めには350ウォンだったが、中旬には450ウォンまで上がり、2月末から3月初めにかけて1000ウォンから1100ウォン台まで上がった。だが、新義州はこの3つの地域で最も値段が低い。

米の価格が上昇したのは、貨幣改革で貨幣価値が下落したことによる、全般的な物価の上昇が原因だ。食料の絶対量が不足しているというよりは、流通体系の混乱によるものだ。よって、インフレもある一定レベルで止まり、食料の流通が正常になった為、大量餓死が起きたという表現は不適切だ。政治的な不満が高まり、生活が苦しくなることと、大量餓死の発生を区別する必要があるとの指摘だ。

デイリーNKの新義州の消息筋によると、「今はまだ労働者がトウモロコシであれ、お粥であれ、三食を解決している。300人規模の大量餓死は聞いたことがない」と話した。

消息筋は「周辺で飢え死にする人が頻発するほどではない。栄養状態が悪く、病死する人はいる。これからが問題」と言った。人々は餓えに苦しむと高利でも食料を借りて食べる為、1990年代中盤のような事態は起きないだろうとの事だ。

NK知識人連帯の関係者とデイリーNKの通話では、「北朝鮮の市場では買占め現象が起きており、品物を流通させておらず、食糧事情が悪いのは事実。大量餓死が起きたとの話は聞いていない」という話が聞かれた。

また、「北朝鮮の食料事情が悪いのは事実であるが、以前とは状況が変わっており、住民達も免疫がついて大量餓死は起きそうにない」と付け加えた。