金正恩党委員長は、国外へ情報が流出することや国内に情報が流入することを、体制を揺るがす不安材料と見て、極めてナーバスになっている。大々的な取り締まりを行う指示を繰り返し出しているが、今回のように内部資料が海外に持ち出される事例が後を絶たない。
資料だけでなく、口コミでの情報漏洩にも神経を尖らせている。ここ数年の北朝鮮では、スマートフォンのユーザーが拡大しているが、LINEやカカオトークなどのコミュニケーションアプリに対しても警戒を強めている。韓国と携帯通話しただけで、女性が見せしめで処刑されたケースすらある。
(参考記事:北朝鮮当局、韓国と「携帯通話」した女性3人を「見せしめ」で処刑)相次ぐ情報漏洩に業を煮やした朝鮮労働党の組織指導部は、取り締まる側の秘密警察・国家保衛省(以下、保衛省)にさえ、大々的な検閲(監査)を行っており、多くの幹部が更迭されている。