北朝鮮当局が近い内に貨幣改革の後遺症克服のための対応処置を取るが、非核化の進展など対外関係の改善努力が無い限り、限界に差し掛かるだろうとの展望が出された。
サムスン経済研究所は11日、2005年から毎分期発表している『朝鮮半島安保指数』を元に作成した『朝鮮半島情勢報告書』を通じ「6者会談再開の遅れなど、朝鮮半島の安保環境の大きな変化はなかったが、2010年1/4分期の安保指数が僅かながら改善状態を保っている」と評価した。
しかし朝鮮半島安指数を構成する南・北・米・中・日・露など6カ国の要素の評価で、北朝鮮だけが唯一マイナス評価を受けた。
報告書では北朝鮮は貨幣改革の後遺症による体制不安、6者会談の復帰の不透明性、西海北方限界線(NLL)での挑発の可能性などが北朝鮮のマイナス要素として挙げられた。
そして「北朝鮮の市場取締りの強化と食料及び消費材が流通されておらず、物価が上昇するなどの後遺症が深刻だ。労働者の人件費が100倍近くあがっ為、当分の間は住民の不満を誤魔化す事ができるが、食料価格の上昇が止まらない場合は危険要因となる」と指摘した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面続いて「北当局は近いうちに貨幣改革の後遺症を解消する対応処置を発表するだろう。北の企業が保有している外貨を回収し、輸入を拡大すると共に中韓など国際社会からの支援拡大をする可能性が高い」と見通した。
しかし「対応処置がいつまで効果を保つかは未知数で、後遺症から抜け出せない可能性が高い。国際社会の支援拡大も6者会談の再開及び核問題の進展と関連しているため、北の核問題の進展が必要」と強調した。
一方、報告書では今分期の朝鮮半島の安保環境の一番のポイントを、米中関係の不安定性をあげた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「今分期の米中関係が安保指数調査開始以来、一番低い36.81を記録し、原因はアメリカの台湾への武器輸出、オバマ大統領とダライラマの会談などによる関係悪化が影響し低い数値が出た」とのことだ。
また「この様に低い数値は、米の対中政策の変化や葛藤が持続を頼?キるのかを注視する必要がある。なぜならば米中関係の悪化は、6者会談が再開されても北核問題の解決に影響を与えるためだ」と否定的な展望を述べた。
これ以外にも今回の調査で、日米関係も当分の間は好転しないであろうとの見方だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面最後に「日米の首脳間の信頼関係が悪化した上、普天間基地問題が2010年上半期中に解決する見通しが立っていないからだ。トヨタ問題も両国間の政治問題へと発展しつつある」とし日米葛藤の可能性を示唆した。