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北朝鮮では、2月中旬から全国的な有休資材供出キャンペーンが行われている。有休資材とはクズ鉄、古着、古紙などのリサイクル品目のことだ。

朝鮮労働党機関紙の労働新聞は3月13日、「鋼鉄前線にさらに多くのクズ鉄を」と題した記事で、江原道のイルクン(党活動家)がクズ鉄収集計画を6倍以上のスピードで行い、目標を300パーセント超過達成したと紹介している。また、最高人民会議常務委員会、対外経済省、国家観光総局など中央機関の職員も、職場や家庭でクズ鉄集めに乗り出したと伝えている。

全国的に行われているクズ鉄供出キャンペーンは、学校とて例外ではない。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、道内の学校では2月16日、冬休み中にクズ鉄を集めよとの指示が生徒たちに出された。

量は、初級中学校(中学校)が10キロ、高級中学校(高校生)が15キロだ。収売所に持っていき、買い取ってもらう形を取っているが、それぞれ70北朝鮮ウォン(約0.9円)、105北朝鮮ウォン(約1.4円)にしかならない。15キロ集めても、コメ50グラムすら買えないのだ。

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クズ鉄がなければ、かわりに古紙、古ゴム、割れた瓶を同じ金額分だけ集めなければならないが、70北朝鮮ウォン相当の古紙は23キロに達する。一方、小学生に出された課題は、古紙5キロだった。

また、工場に対しては、故障して使えなくなった機械や設備をクズ鉄として供出せよとの指示が下された。

クズ鉄集めに必死になっているのは、各地の建設現場で使用する鉄骨などの資材が足りていないからだ。また、ボロキレは軍隊で銃を磨くためのウエスとして使われたり、列車制御装置の潤滑油を保つ綿の代わりに使われたりしている。古ゴムは、地方の靴工場に送られ、靴の材料となる。

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北朝鮮が、代的なリサイクルではなく、戦時中の日本で行われていたような金属供出を行っているのは、経済制裁による資金や資材の不足が深刻化していることを示している。このような状況にもかかわらず、金正恩党委員長は、タワーマンション団地の黎明(リョミョン)通りや、白頭山観光鉄道の建設を進めている。