北朝鮮の昨年の対外貿易が、韓国と中国との交易が減ったため、98年以後11年ぶりに減少して、減少幅も前年比5%以上だったという報告が出た。
韓国開発研究院(以下、KDI)が、10日に発行した『北朝鮮経済レビュー』で、「北朝鮮の対外貿易の規模が集計されたわけではないが、絶対的なシェアーを占めていた中国と韓国との貿易の規模が減少した」と述べた。
KDIはまた、「EUとの貿易規模も前年より減ったため、北朝鮮の対外貿易が減少したのは確実だ」と説明した。
このように、北朝鮮の対外貿易の規模が減少した原因は、北朝鮮の対外貿易に占める中国と韓国の割合が、2000年には38.1%だったのが昨年には81.7%まで高くなったためと考えられる。中国や韓国への北朝鮮の貿易依存度が高まっている中、核問題による国際社会の制裁や政治不安による中国の投資家の投資の回避、韓国からの経済支援の減少により、対外貿易規模が減ったと考えられる。
KDIは「北朝鮮の対外貿易で最も大きな割合を占める、中国との交易規模が26億8077万ドルで、前年より4%減少した」と中国の税関統計を引用して説明した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面続いて、「南北交易も搬入は0.2%増加した9億3425万ドルだが、搬出は7億4483万ドルで16.1%減少し、年間8.4%減った」と説明している。北朝鮮の対外貿易の約4%を占めているEUとの交易が減少したのも一因だという。
KDIは、「2008年に1億1000万ユーロだったEUの対北輸入は5700万ユーロと半分以下に減り、輸出も9500万ユーロから8300万ユーロに13%減少した」と述べた。
北朝鮮の年度別貿易総額は、2000年は23億9500万ドル、2001年は26億7300万ドル、2002年は29億200万ドル、2003年は31億1500万ドル、2004年は35億5400万ドル、2005年は40億5600万ドル、2006年は43億4600万ドル、2007年は47億3900万ドル、2008年は56億4000万ドルだった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面KDIは、「北朝鮮は他の国とは2008年のレベルを維持しているが、中国と韓国との交易が減少したことで、全体的な減少も避けられなかった。北朝鮮の対外貿易が減少したのは98年以降11年ぶりのことである」と述べた。
一方で、「昨年12月の北朝鮮の対中交易は3億7932万ドルで、前月より41.9%増加した。12月初旬に北朝鮮が貨幣改革を行ったが、中朝貿易には影響がなかった」と分析している。
アメリカの声(以下、VOA)放送も9日に、中国・商務部の統計を引用し、貨幣改革直後の昨年12月の1ヶ月間の北朝鮮の対中交易額は、前年同月比1億ドル(20.9%)減少し、特に北朝鮮の輸入が1億1600万ドル減り、全体の交易が萎縮した原因になったと思われると伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面VOAは「2000年以後、中朝交易が減少したのは初めてのことで、昨年11月末の貨幣改革が悪影響を及ぼしたようだ。貨幣改革の後、北朝鮮経済が混乱して為替が不安定なこともあり、中国の貿易業者が取引を避けている」と説明した。