2000年代中盤に、平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)市でのことだ。市内中心部から少し離れたところにある民宿に中年の男が訪ねてきた。そして、「他の部屋の宿泊費を払うので、一人で泊まりたい」などと持ちかけて、一泊することになった。
翌朝。男は姿を消していた。そして、主人の娘が遺体となって発見された。
この話が市内に広がり、恐怖のあまり、民宿を畳む家が続出した。平城と言えば、全国有数の卸売市場がある物流の拠点。商売でやって来た商人は、どこに行っても宿泊を断られ、路頭に迷うはめになったという。