中国国際航空は、北京ー平壌線の運航を全面的に停止する。
米国の北朝鮮専門ニュースサイト、NKニュースによると、中国国際航空は、平壌国際マラソン開催後の4月14日をもって北京ー平壌線の運航を取りやめる。これにより、同路線を運航する航空会社も、平壌国際空港を離発着する航空会社も、北朝鮮国営の高麗航空が唯一となる。
複数の情報筋によると、4月の第1週と第2週にだけ運航し、それ以降は今年いっぱい運航しない見通しだという。理由は乗客の少なさであり、回復が見込めなければこのまま完全撤退となる可能性もある。
この路線は昨年11月11日を最後に運休しているが、これは冬季の乗客減に伴う一時的なものだった。中国国際航空の関係者は米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に「2017年3月27日から夏ダイヤで運航を再開する」と述べていた。
しかし、度重なる核実験、ミサイル実験と国際社会の経済制裁により、乗客の回復が見込めないと判断し、運行の取りやめに踏み切ったものと思われる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面平壌駐在の一部の国の外交官たちはさぞかし困っているだろう。機体の安全性に問題があるとして高麗航空の利用を避け、中国国際航空を利用してきたからだ。彼らは今後、飛行機を諦めて列車利用に切り替えるだろうと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は伝えている。
その高麗航空の運航体制も、縮小傾向にある。
旅客機の運行情報を提供するウェブサイト、フライトアウェアによると、平壌とウラジオストクを結ぶ高麗航空272便、273便は週2便運航のはずだが、昨年12月は2回、今年1月と2月はそれぞれ1回の運航にとどまっている。3月からは週1便の運航になっているが、依然として不安定な状態だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、アントノフ148型機(機体番号:P-672)は運航記録が全くなく、昨年7月22日に瀋陽空港で事故を起こしたツポレフ204−300型機(機体番号:P-632)は、リストから抹消されている。現在の状態は不明だ。つまり、同社はツポレフ204−300型機(機体番号:P-633)とアントノフ148型機(機体番号:P-671)の2機ですべての路線の運航を担っている形だ。
高麗航空にとって唯一の明るいニュースは、平壌と中国の丹東を結ぶチャーター便の新規開設ぐらいだろう。