人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

それで英紙テレグラフなどが、マレーシア当局にとって兄よりも警護が容易に見える彼女が、遺体の身元確認のため現地入りするのではないか、と報じたのだ。

しかし当人たちにとっては、ことはそう単純なものではないのだと筆者は予想する。また、正男氏にはほかにも妻子がいるとされ、北朝鮮がそちらに圧力をかけて協力を強いるなら、ハンソル氏やソリ氏の行動が無駄になる可能性もある。

世が世なら、北朝鮮の特権階級としての人生を送れたはずの彼らも、今は深い苦悩の中にあるはずなのだ。

(参考記事:金正男氏殺害で気になる正恩氏「美貌の姉」の身の上

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記