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中国国営の中国中央テレビが24日から突然、マレーシアで起きた北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件の報道を始めた。同局は前日まで、この事件についてほとんど報じていなかったが、急に大きく取り上げるようになった背景に関心が集まりそうだ。

中国中央テレビの朝のニュース番組「朝聞天下」は午前7時台に約9分の時間を割き、平壌からの中継や韓国政府の反応などを含め、金正男氏殺害事件について詳細に報じた。また、昼のニュース番組「新聞30分」も、約6分間に渡り同事件について報道。マレーシアの警察長官が、金正男氏の遺体から猛毒のVXガスが検出されたことを伝えるなど、速報ぶりが目立った。

しかし、いずれのニュースでも金正男氏の実名は出さず、「北朝鮮国籍の男性」と言っている。

中国当局は事件発生翌々日の15日、国内メディアに事件についての記事を削除させるなど、報道統制に乗り出した。しかし、一部のメディアは実名を出した上での報道を続け、全面統制は行われていない模様だった。

中国メディアが、金正男氏殺害事件について突如として詳細に報じ始めた理由はわかっていない。ちなみに、北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、名指しは避けつつも、中国を「大国と自称する国が定見もなく米国の拍子(リズム)に踊っている」などと批判する論評記事を配信している。