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◆朝鮮大学の学生全員が訪朝して受けた全体教育

朝鮮総連傘下の朝鮮学校の最高学部は朝鮮大学校である。最高の教育機関であるため、教育内容だけでなく実生活でも生活総和や組職生活など、北朝鮮の大学生とほとんど同じ指導を受ける。

東京にある朝鮮大学は1956年の開校後、共産主義教育を含めて金父子偶像化教育を体系的に施してきた。特に、カリキュラムだけではなく課外活動でも、休暇の時には総連の各地方組職で実習を受ける。

最近は、最終学年の学生全員が北朝鮮を訪問して直接指導を受けている。学生たちは全科制(全療制、全員寮生活)の教育を受け、外部への出入りを統制されている。朝鮮大学の周辺は朝鮮総連の対日本破壊工場基地と言われて、住民は学校の撤去運動も行った。

朝鮮大学の政治経済学部の教授を務めた朴斗鎮コリア国際研究所所長によれば、朝鮮大学が設立された後、初期の共産主義教育の内容はマルクス-レーニン主義などの階級独裁論が主類だった。67年まで、金日成崇拝に関する内容はカリキュラムに反映されていなかった。

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当時、北朝鮮政府は金日成の抗日パルチサン回想記に関連した本を発行して、朝鮮大学で教育資料として使用させ、特に学習文件や映像を送って金日成の偶像化教育を実施した。

しかし、北朝鮮で金日成優性化宣伝が本格化するようになり、朝鮮総連も階級独裁論を金日成の個人崇拝と結び付けた教育を始めた。この頃から階級独裁論が首領独裁論に変質して、首領偶像化教育が始まった。

朴所長は「現在も朝鮮大学の教育の使命は、金日成と金正日を崇拝して徹底的に金正日に忠実な人材を育てること」と述べ、「そのために熱心な学生を別に教育させる組職を運営するなど、二重の教育を行っている」と指摘した。

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◆朝鮮総連, 青年政治組職で親北朝鮮引伝帯の養成を強化

朝鮮大学で金父子の偶像化と北朝鮮体制について学ぶと同時に、朝青朝大委員会を通じて、朝鮮労働党の政策や朝鮮総連の方針が学生たちに注入された。朝青朝大委員会は、朝鮮総連傘下の青年たちの団体である、在日本朝鮮青年同盟の朝鮮大学支部のような組織だ。

1958年に開かれた朝鮮総連の第 4回大会を前後に、朝鮮総連内に朝鮮労働党の指導を受ける学習組が組職されて活動を開始した。また、朝鮮学校内でも在日本朝鮮少年団(小学校4年生から中学校3年生まで全員加入、以下少年団)と、在日本朝鮮青年同盟(高等学校から大学まで網羅、以下朝青)が組職された。

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金父子の偶像化や体制宣伝教育は、朝鮮学校の教育だけでなく青年政治組職の多様な実践活動を通じて浸透した。参加者は、金父子の偶像化教育を受けながら、政治組職に加入して実践活動をしている。

朝青の綱領には、「朝青は在日朝鮮青年学生を朝鮮民主主義人民共和国の周りに固く縛り、在日同胞の民族的権利を擁護して、主体偉業の継承の完成を基本的な任務にする」と書かれており、「朝鮮民主主義人民共和国の政策を高く奉ずる」と明示されている。

朝青の傘下には12の朝鮮高級学校に「朝高委員会」が組職されていて、日本の各地に50以上の地域本部がある。また、朝鮮総連の支部機関や職場などにも朝青の支部が組職されている。

さらに、朝青は小学校と中学校の学生が参加する少年団を組織して、親北朝鮮的性向を持つように養成している。朝青の少年団に関する規約で、「朝青は少年たちの生活と学習に常に関心を向けなければならない」、「在日の少年たちに、祖国と人民の前に無限に忠直であり、全国統一のための頼もしい人材になるよう準備させなければならない」と明らかにしている。

朝鮮総連はこうした青年組職を積極的に活用してきた。朝青などは日本国内で韓国の左派学生の運動を支援する集会や日本政府の対北政策転換を促す活動、朝鮮の統一を促すための署名運動など、親北朝鮮的な政治活動を行っている。

◆“北の民主化なしに朝鮮学校の教育の根本的な改革は困難”

朝鮮総連系の同胞の子供たちは、民族教育という名目で短くは12年間、長くは16年間、金父子の偶像化教育を半ば強制的に受けてきた。このような時代錯誤的な教育のため、多くの学生が朝鮮学校を離れている。しかし、まだ6000人以上の学生が朝鮮学校で教育を受けている。

子供がいる在日同胞たちは、教育の問題を知ってはいたが、仕方なく教育を受けさせているという実情もある。帰国事業で北朝鮮に家族と親戚が渡って行った同胞がまだ多いが、その人たちは韓国よりも北朝鮮との縁故関係の方が深い。

解放後朝鮮総連系の同胞の90%以上が韓国出身だったが、多くの人が亡くなったり年をとって、2世や3世とは関係に隔たりが生じている。反面、北送された縁故者は2世や3世の家族や親戚であるため、縁故関係が韓国よりも強いのである。

したがって、北朝鮮政府が北送された在日同胞を人質にしている限り、朝鮮総連系の同胞が組職から離脱したり、親韓、反北的行動をとることは事実上不可能だ。

また、朝鮮学校の学生の両親の多くは朝鮮総連と直間接的に関係がある。この人たちは朝鮮総連の傘下機関や朝鮮総連系の商工団体、企業で働いている。

1998年12月5日に商工会長など有力な商工人と父兄が、「民主主義民族教育の改善の強化」という意見書を朝鮮総連中央本部に提出した。

意見書の主な内容は、朝鮮学校の北朝鮮式社会主義教育を脱皮しなければならないというものだった。子供が日本社会で生きていけるための教育を受けられるように、朝鮮学校の教育を変えるよう促したのだった。しかし、朝鮮総連中央本部はこの意見を黙殺して強制的に解任するなど、強い圧力をかけたため、要求は水泡に帰した。

朴前教授は「朝鮮総連と利害関係があり、北朝鮮に親戚がいる朝鮮総連の幹部たちが存在していて、朝鮮学校は時代錯誤的な教育を続けている」と述べ、「北朝鮮が民主化されてはじめて、朝鮮学校の教育内容にも根本的な変化をもたらすことができる」と指摘した。(終り)