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ロシアで20年近く暮らしてきた北朝鮮労働者が逮捕され、本国に強制送還される危機に直面していたが、裁判所は強制送還命令を覆す決定を下した。

ロシア・サンクトペテルブルクのオンラインニュースサイト「フォンタンカ」によると、フランスのストラスブールにある欧州人権裁判所(ECHR)は6日、ロシア政府に対して脱北者チェ・ミョンボクさんの強制送還を、審理が終わるまで禁止する決定を下した。

さらに、ロシアのレニングラード州裁判所(高裁)は9日、控訴審で、チェさんを国外追放するとした1審の判断を覆し、この命令を取り消す決定を下した。同時に捜査の中断も命じた。

これにより、チェさんが北朝鮮に強制送還されることはなくなった。今後は、ロシア政府に対して難民認定を申請し、その結果次第で最終目的地を決めるものと思われる。ちなみにチェさんは、北朝鮮に残してきた母、妻、息子の安全を考えて、韓国へは行かないつもりだということだ。

チェさんを支援してきたロシアの人権団体「メモリアル」のオルガ・ツェイトリナ弁護士によると、彼はすでに不法滞在者収容所から釈放され、安全な場所に移動している。

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チェさんは1999年から、ロシア極東のアムール州ティンダで、木材伐採の仕事についていたが、劣悪な環境での労働に加え、賃金が支払われなかったため、2002年に警備員を買収し、脱走した。その後、ロストフ・ナ・ドヌーを経てサンクトペテルブルグにたどり着き、当局の目を避けつつ、現地の建設現場で働き生計を立ててきた。

チェさんは、ロシアで出会った高麗人(ロシア沿海州や中央アジアに移住した朝鮮系の人)女性と結婚し、5歳と3歳の息子をもうけている。