黄氏は李氏殺害を知り、「亡命直前の私に対する警告だ」ととらえたという。実際、2010年4月20日には、黄氏の暗殺を企てた北朝鮮の工作員2人が韓国当局により検挙されている。
そして今、韓国には最近脱北した北朝鮮エリートたちが様々な情報をもたらし、金正恩党委員長の私生活がまるごと暴かれそうな勢いでもある。
(参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳])この状況下、正恩氏は強力なけん制手段を必要としているはずだ。彼が父親と同じ「選択」をしないとは限らないのである。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。