両江道(リャンガンド)の別の情報筋は、崔氏が現場を訪問し、突撃隊員を激励したのは、事故で現場の労働者が萎縮することを懸念してのものとの見方を示した。
正恩氏は先月、黎明通りの建設現場を訪れ、「黎明通りの建設を太陽節(4月15日の故金日成主席の生誕記念日)まで無条件完工しよう」と述べたが、今回の事故で労働者が萎縮し、予定までに工事が終わらないことを懸念したというのだ。
しかし、「中身はともかく、とりあえず早くできればいい」という「速度戦」の悪弊がなくならない限り、工事の質は上がらず死傷事故も頻発し、生産性の向上を妨げ続けるだろう。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。