しかしイさんはあくまで、自分の行為は人助けだったと言う。北朝鮮で行き倒れるぐらいなら、たとえ望まぬ結婚を強いられるとしても中国へ行った方が、食べるものに困らなくて済むと考えたからだという。そのような考え方の是非については、ここでは論じないことにしておく。確かなのは、北朝鮮は人が生き延びる上で、極端に選択の余地が少ない社会であるということだ。
脱北自体、非常にリスクの高い行為だ。捕まって強制送還されたら、我々には想像も及ばないような虐待が待っている。
(参考記事:刑務所の幹部に強姦され、中絶手術を受けさせられた北朝鮮女性の証言)それでも、脱北する人々は敢えてその行為を選択しているのである。