現在、年内南北首脳会談開催説から上半期3~4月開催説まで出ており、3回目の南北首脳会談が既成事実になりつつある。
韓国政府は、首脳会談が開催されたら北朝鮮の核問題に関する議論は必ず行われなければならず、国軍捕虜や.拉致問題など人道的な事案も扱うべきだと述べている。
北朝鮮としては、受け入れるのが非常に難しい議題を提示されているともいえるが、水面下で議論が続いているのは、北朝鮮が切迫し、首脳会談は必要とみなしているからとも思われる。
ソン・デャ盗「宗研究所所長が3日、デイリーNKとのインタビューで、「北朝鮮は不利と判断すれば首脳会談に出ないだろう」と述べ、今は断定は難しいという慎重な立場を明らかにした。
1人が決定するシステムが作動している予測不可能な政権であるため、会談の直前に決定を覆して変更する可能性があるのが北朝鮮社会の特性だと、ソン所長は説明している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ソン所長はまた、北朝鮮が首脳会談で非核化問題を議論したとしても、偽装された合意をしようとする可能性が高いとも予想している。
ソン所長は「北朝鮮が首脳会談に応じる目的には、(核の)時間の引き延ばしという目的以外にも、現在北朝鮮に対して実施されている対北制裁を緩めるという目的がある」と分析した。
2012年に強盛大国を作ることだけでなく年内の人民生活の向上、そして3代世襲に向けて雰囲気を盛り上げるため、経済問題を解決することが、北朝鮮が直面している最も現実的な問題だが、現在、対北制裁の突破口が見えていない状況だとソン所長は考えている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ソン所長は、「これまでは(2006年の国連安保理対北制裁決議1718号など)、しまりがなく形式的に圧力をかけていたのと比べたら、(1874号は)体系的かつ組織的に行われている」と、安保理の対北制裁の効果について説明した。
北朝鮮には、正常な市場経済を通じた外貨獲得手段がないため、これまで麻薬の密売や武器の輸出などで外貨を獲得してきたが、1874号によって徹底的に遮断されたため、韓国政府との開城工団や金剛山、開城観光を通じてドルを獲得してきた。だが、今はそれすら明日の予測も立たない状況だという。これは、金正日の統治資金が底を就いているということでもある。
ソン所長は、最近北朝鮮が対話の枠組みを維持しながらも、西海上で海岸砲を発射するなど硬穏戦術を駆使しているのにも、こうした理由があると分析している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ソン所長は、北朝鮮の実体は片手で花を振ってもう一方の手に毒針を握っている存在だと述べ、「以前は時差を置いて硬穏政策を駆使していたが、最近北朝鮮は両手を同時に振っている」と言い、「それだけ北朝鮮内部の事情が緊迫しているということを意味している」と語った。
また、北朝鮮が軍事力で脅そうとしているのは、李明博政府の強硬な対北政策のためという視覚に対しては、「全国で講義して太陽政策を支持する方たちに、現政府の非核化や改革開放、分配の透明性など、どの部分が強硬なのかと聞いたら指摘することができない」とも述べ、「自分の口に合うように、強制的に韓国政府の対北政策を修正しようとする北朝鮮の無謀な強硬策が原因」と指摘した。
またソン所長は、アメリカの敵視政策のために核を開発したという北朝鮮が、韓国政府と非核化について心を開いた対話をする可能性を疑問視して、「これまで、北朝鮮の非核化のための宣言がなかったことではなく、実践がなかったことが問題だった」と言い、「北朝鮮が非核化に選言的に言及したら、我々もそれにふさわしい支援だけ言及すればよい」と主張した。
これは、南北が合意した朝鮮半島の非核化宣言以外にも、9・19共同声明や2・13合意など、北朝鮮の核廃棄のための合意は多かったが、問題は北朝鮮がいつも実践せずに約束を破ったことという指摘である。
ソン所長は宣言には宣言、約束には約束など、それ相応の措置が必要だと主張しつつ、「北朝鮮が非核化に反対する宣言を出したにもかかわらず、韓国政府が支援の段階に入る過ちを犯してはならない」と懸念している。また、「そのような場合、国民が許さないだろう」とも語っている。
さらに、アラブ国家に対しては原則的な姿勢を貫いている、イスラエルの知恵を学ばなければならないとも助言した。
イスラエルがアラブ国家と中東の平和問題を議論する中で、数えきれないほど多くの宣言や約束が出たが、イスラエルは約束を回避しなかった。その代わりに、実践しなければ一歩も進まず、反対に相手がテロをしたり平和を乱す行為に及んだら厳しい制裁措置を加えた。
また、現在北朝鮮が経済的に困難な状況に直面していることを考えても、後継体制を準備している北朝鮮政府にとっては、悩みが多い時期になるだろうともソン所長は予想している。
ソン所長は「後継作業のためには、内部で祝砲をあげなければならない状況なだが、現在北朝鮮は経済難に陥っており、さらに強い対北制裁が加えられているため、後継体制の環境が整わない」と言い、「そのような時期に権力の移譲は難しいだろう」と分析している。
ソン所長はまた、国家の発展のために世宗研究所の役割を強化するという目的の下、新たに推進している<世宗国家戦略朝餐フォーラム>を紹介した。
「国家発展政策に寄与することができるアイディアを創出して、政策決定者に提供することが研究所の基本任務」とソン所長は語り、「与野、国内外を問わずに、比重ある、また専門性ある人を招待する朝餐フォーラムを開いて、国家発展のための戦略的アイディアを作る」と明らかにした。
最近、国民どうしの葛藤や分裂を懸念する声が高まっているが、今月25日には金泳三元大統領を講師として招請し、「国家の発展と国民の統合」という主題で1回目のフォーラムをロッテホテルで開くという。
これまで春と秋に2回、フォーラムを開いてきた世宗研究所は、国内外の懸案問題に対する議論を迅速に推進するという計画の下、あわせて6回のフォーラムを準備している。