韓国と北朝鮮が8日に、金剛山・開城観光再開に関する実務会談を、開城南北経済協力協議事務所で開催する。
今回の会談で、韓国政府が観光再開の条件として提案している、観光客の安全保障問題に関する北朝鮮の公式な立場が確認できると思われる。
北朝鮮は黄海北方限界線(NLL)付近で海岸砲を発射するなど、軍事的行動を起こして緊張感を高めたが、1日に開かれた4回目の開城工業団地南北実務会談では、勤労者の賃上げを強く要求するなど、「実利」をとるために積極的な態度を見せている。
国連の制裁で深刻な外貨不足に陥っている北朝鮮は、安定した収入源だった韓国からの観光(金剛山・開城観光)の再開を願っているはずである。
韓国政府は2007年7月に観光客銃殺事件で中断した、金剛山・開城観光を再開させるための条件として、 ▲事件の真相を究明すること、 ▲再発防止策を整えること、 ▲観光客の安全を保障することなどを挙げた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面3つの条件のうち、韓国政府は特に、金剛山観光客銃殺事件の真相をまず究明すべきだと主張している。そのために、韓国当局者が事件現場を訪問することも北朝鮮に要求しているという。
また、観光客の安全保障についても、北朝鮮に公式な立場の表明と文書化された合意などを要求している。さらに、国際レベルの保障基準を満たすよう求め、『開城・金剛出入滞在合意書』を補完して、接見権や弁護人助力権などを明記することも求めているという。
北朝鮮は先月14日に、労働党の確信機関ではない朝鮮アジア太平洋委員会名義で、観光再開実務会談の提案が、当局の公式な立場であると発表した。しかし韓国政府は、日程と場所の変更に関する通知文書を北朝鮮労働党・中央委員会のキム・ヤンゴン部長宛てに送った。これは観光客の安全保障問題に関する、北朝鮮政府の公式な立場と文書化された合意を要求しているためである。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面昨年8月には金正日が現代グループのヒョン・ジョンウン会長に会い、韓国国民の安全保障について口頭で約束したが、韓国政府がそれに大きな意味を与えないのも、これと同じ理由からだ。
最近の北朝鮮の態度を見ても、金剛山・開城観光再開の際に、北朝鮮当局が観光客の安全保障が必要という韓国の主張を受け入れる可能性も少なくはない。北朝鮮が再開の条件に反対せずに、そのまま合意して、観光再開の時期を早める可能性もある。
北朝鮮は観光再開のための実務会談に、朝鮮アジア太平洋平和委員会のカン・ヨンチョル参事が首席代表の代表団を送る。代表団には祖国平和統一委員会・書記局のチュ・カンイル責任部員、名所総合開発指導局のリ・キャンジン課長などが参加すると、5日に韓国側に連絡があった。