しかしそもそも、正恩氏が金元弘氏を重用したのは、党内に大きな影響力を持っていた叔父の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長を排除し、自らの権力基盤を固めるためだったようにも見える。
公開処刑や政治犯収容所の運営を担当する国家保衛省は、高級幹部たちにとっても怖い存在だからだ。
(参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」)だが昨年、36年ぶりに開かれた党大会などを経て、少なくとも表面的には、正恩氏の権力は盤石となったように見える。金元弘氏は、すでに「用済み」になっていた可能性があるということだ。